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どんな食材か
卵はにわとりが産んだものです。白身と黄身がまったく違う物質であることが、この食材を理解する鍵です。白身はほとんどが水とたんぱく質で脂質がほぼなく、黄身に脂質と脂溶性ビタミン、コリン、鉄が集まっています。固まる温度も違い、白身が先に、黄身が後に固まるため、その間の温度を使えば半熟になります。殻の色は鶏の品種の違いにすぎず、栄養とは関係ありません。
長いあいだ卵は「黄身は1日1個まで」という言葉と一緒に語られてきました。黄身1個にコレステロールが約186mg入っていて、かつての指針が1日300mgの上限を置いていたからです。
ところが2015〜2020年の米国食生活指針でこの数値上限が外れました。 食べ物から摂るコレステロールが血中コレステロールに与える影響は思ったより小さい、という研究が積み重なったためです。体はコレステロールの大半を自分で作り、摂る量が増えれば作る量を減らします。
上限が消えたことは「無制限」を意味しません。ただ、卵を避ける理由が以前ほど強くはない、ということです。
主な効果
- 栄養データ
アミノ酸構成が最もバランスの取れたたんぱく質です
卵のたんぱく質は必須アミノ酸がすべて十分に含まれており、たんぱく質の品質を評価する際の基準として使われてきました。大きめの卵1個で約6gです。
- 栄養データ
コリンの供給源としてほぼ独走しています
コリンは細胞膜と神経伝達物質アセチルコリンの材料で、妊娠中は胎児の脳の発達に必要です。ところが多く含む食品が少なく、多くの人が推奨量に届きません。卵1個に約147mgで、この栄養素を現実的に満たせる数少ない食品です。
- 栄養データ
ルテインとゼアキサンチンが吸収されやすい形で入っています
黄身のルテイン量自体はほうれん草よりずっと少ないのですが、脂質と一緒にあるため吸収率が高いです。これらの成分は網膜の黄斑に蓄積し、光による損傷を減らすと考えられています。
- 栄養データ
ビタミンDが自然に入っている数少ない食品です
100gに2µgです。多い量ではありませんが、ビタミンDが天然に含まれる食品は青魚と卵黄、きのこ程度でリストは短いです。
上手な食べ方
- 黄身を捨てないでください。 コリン・ルテイン・ビタミンD・ビタミンB12の大半は黄身にあります。白身だけではたんぱく質しか残りません。
- 固ゆでより半熟のほうがたんぱく質の消化率がやや高いです。 ただし差は大きくなく、生卵はむしろ吸収率が落ちます。
- 強火で長く加熱しないでください。 黄身の表面が灰緑色になるのは硫化鉄で、味と食感が落ちます。
- 野菜と一緒に食べると、黄身の脂質が野菜のカロテノイド吸収を上げてくれます。
- ゆで卵は冷蔵で1週間ほど、殻付きのまま保存するほうがよいです。
評価の読み方
効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。
- 栄養データ
- 食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
- 強い根拠
- 複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
- 中程度の根拠
- ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
- 初期の研究
- 細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
- 確認されていない
- よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。
注意したいこと
- 卵は主要なアレルゲンです。 特に乳幼児で多く見られます。
- 生卵にはサルモネラのリスクがあります。妊婦、乳幼児、高齢者、免疫が落ちている方は完全に加熱してください。
- 上限が消えたとはいえ、家族性高コレステロール血症や糖尿病があると個人差が大きくなります。主治医に相談してください。
- 卵を何と一緒に食べるかのほうが、卵そのものより重要かもしれません。ベーコンやソーセージと食べる食事のリスクは卵のせいではありません。
- 殻を洗って保存すると表面の保護膜がはがれ、かえって細菌が入りやすくなります。
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出典
栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。



