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クレソン

クレソンの効能:2026年の試験は野菜ではなく乾燥カプセル8gでした

26人に乾燥クレソンのカプセルを28日間与えた単盲検の予備試験でLDLが有意に下がりました。ただしほかの脂質には一貫した効果がなく、論文みずから探索的であり、より大きな試験での確認が必要だと書いています。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年10月2日更新 2026年10月12日9分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

クレソン
目次

どんな食材か

クレソンはアブラナ科の多年草で、澄んだ流れる水の中で育ちます。ヨーロッパとアジアが原産で、土ではなく水で育てる数少ない葉野菜です。だいこんやからしと同じ科なので、ぴりっとした辛みとほろ苦さがあり、ルッコラと近い系統の味です。葉が繊細で加熱するとすぐしんなりするため、生でサラダに使うかスープには最後に入れます。野生のものは寄生虫の危険があるので、栽培されたものを使うほうが安全です。

学名 Nasturtium officinale

クレソンはブロッコリーやケールと同じアブラナ科の野菜で、その科に特徴的なグルコシノレートが多い。学名はNasturtium officinaleです。

人を対象にした試験が数件あります。ただしどれも野菜ではなくカプセルや抽出物を使いました。

2026年《Nutrients》。

  • 心血管リスクが低〜中等度の40〜59歳26人
  • 無作為、単盲検、プラセボ対照、予備試験
  • 乾燥クレソンのカプセル1日8g(グルコシノレート約195mg)またはプラセボ
  • 28日間
  • 血漿の代謝物を標的を定めない核磁気共鳴で分析

結果です。

  • 209種の代謝物を同定し、二群の判別は弱い水準でした(Q2 = 0.268)
  • 18の代謝経路が有意に変動しました
  • 酸化的DNA損傷、炎症に関わるキヌレニン代謝、微生物共代謝に結びついた代謝物が減りました
  • 通常の指標のうちLDLコレステロールが有意に下がりました。 ただしほかの脂質には一貫した効果がありませんでした

論文の結論がみずからの位置を正確に書いています——この結果は探索的であり、より大きく検出力のある試験での確認が必要だと。

主な効果

  1. 初期の研究

    LDLが下がりました——26人、単盲検、カプセル、そして探索的研究

    2026年《Nutrients》。

    対象心血管リスクが低〜中等度の40〜59歳26人
    設計無作為、単盲検、プラセボ対照、予備試験
    介入乾燥クレソンのカプセル1日8g(グルコシノレート約195mg)
    期間28日間
    解析標的を定めないNMRメタボロミクス

    結果です。

    項目結果
    同定された代謝物209種
    二群の判別(PLS-DA)弱い水準(Q2 = 0.268)
    判別に寄与した代謝物27種(VIP > 1.5)
    有意に変動した経路18——ガラクトース、果糖/マンノース代謝(p<0.001)など
    減った代謝物酸化的DNA損傷、キヌレニン代謝、微生物共代謝に関連
    増えた代謝物グリシン、ジメチルグリシン
    LDLコレステロール有意に低下
    ほかの脂質一貫した効果なし

    良い点から書きます。 プラセボ対照であり、標的を定めずに代謝物を見た設計なので、あらかじめ決めた仮説に合わせ込むことがありません。そしてLDLが実際に下がりました。

    ところがこの結果に預けられる重みは小さい。理由は四つです。

    第一に、26人です。 二群に分ければ一群13〜14人。論文も予備試験と書いています。

    第二に、単盲検です。 参加者だけを伏せたもので、研究者は知っています。二重盲検ではありません。

    第三に、二群の判別が弱い。 Q2が0.268ではメタボロミクスで強い判別とは言いにくい。論文みずから「modest discrimination」と書いています。

    第四に、野菜ではなくカプセルです。 乾燥クレソン粉末8gです。生のクレソンに換算すれば100gをはるかに超えます——クレソンは水分が大半だからです。一皿に載る30gではその量に届きません。

    ほかの試験も抽出物です。

    2021年《Phytotherapy Research》は身体障害のある過体重の人に標準化クレソン抽出物を与え、脂質と酸化ストレス指標を見ました。2020年にも同じ研究陣の似た試験があります。どちらも抽出物で、特定の集団が対象です。

    このサイトのセロリの項目と同じ構造です。 抽出物やカプセルから出た結果を、野菜を食べることに移すことはできません。

    正直な結論です。

    • 乾燥クレソンのカプセル8gを28日食べたときLDLが下がり代謝経路が変わった——支えられるのはここまでです
    • ほかの脂質には一貫した効果がありませんでした
    • 26人、単盲検、予備試験であり、論文みずから探索的と書いています
    • サラダ一皿が同じことをするという根拠ではありません
    • 等級を「初期の研究」に置きます
    [1][2]
  2. 栄養データ

    100gで11kcal——ところがビタミンKが250µgです

    生クレソン100gあたり:

    • ビタミンK 250µg——1日基準値の208%
    • ビタミンA 160µg RAE、β-カロテン1,910µg
    • ルテインとゼアキサンチン5,770µg
    • ビタミンC 43mg
    • カルシウム120mg、カリウム330mg、リン60mg、マグネシウム21mg
    • 熱量11kcal、タンパク質2.3g、炭水化物1.29g、食物繊維0.5g
    • ナトリウム41mg、マンガン0.244mg、ビタミンE 1.0mg

    熱量11kcalがまず目を引きます。 レタスが15kcal、ほうれん草が23kcal。葉物のなかでも低いほうです。

    ところがこの表でいちばん大事な数字はビタミンK 250µgです。

    1日基準値の208%です。 サラダ一皿に載る30gでも75µg、基準値の62%になります。

    ワルファリンを服用中ならこの数字は必ず見てください。 ビタミンKは血液凝固に関わり、ワルファリンはその働きを妨げることで効きます。ビタミンKの摂取が急に増えると薬の効きが落ちます。

    このサイトのケール・ほうれん草の項目に書いたのと同じ問題で、クレソンはそのなかでも高いほうです。

    • ワルファリンを飲んでいるならクレソンを新たに始める前に主治医に相談してください
    • やめろという意味ではありません。 大事なのは量を一定に保つことです
    • 急にたくさん食べたり急にやめたりすることが問題です

    ルテインとゼアキサンチン5,770µgも高い値です。 このサイトのクコの実の項目に書いたとおり、これらの色素は黄斑に溜まります。ただしクレソンを食べさせて目を測定した試験を、このサイトは確認できていません。 ケールとほうれん草のほうに資料が多くあります。

    カルシウム120mgは葉物としては高い。 ただし1日基準値では9%で、植物性のカルシウムの吸収は牛乳のカルシウムとは違います。

    ビタミンC 43mgはまずまずの値ですが熱に弱い。 下に書くとおり、クレソンは生で食べるほうが自然です。

    扱い方。

    • 流水でよく洗ってください。 クレソンは水辺で育ち、野生で採ったものは肝吸虫のような寄生虫の危険があります。野生のクレソンを生で食べないでください
    • 栽培品を買ってください。 市販のものは管理された環境で育てられます
    • 茎の硬い下の部分は切り落としてください
    • 濡らしたキッチンペーパーに包んで冷蔵すれば数日もちます。水に浸けておくとすぐ傷みます

    味。 独特のぴりっとした辛みがあります。だいこんやからしと同じ系統の成分から来るもので、アブラナ科野菜に共通する特徴です。サラダではその辛みが役割を果たします。

  3. 確認されていない

    抗がん、デトックス、ダイエットに関する主張は確認されていません

    クレソンにつく主張がいくつかありますが、人で確認されたのは上のLDLひとつだけで、それもカプセルで行った予備試験です。

    「抗がん効果がある」という主張。

    クレソンはアブラナ科で、グルコシノレートから作られるイソチオシアネート系の物質が実験室でがん細胞に作用するという研究が多い。ブロッコリーのスルフォラファンと同じ系統です。

    細胞や動物で観察された作用は、人が食べたときの結果とは別の主張です。 このサイトはクレソンを食べさせてがんの発生や再発を測り、対照群と比べた試験を確認できていません。

    過去にクレソンを食べてDNA損傷の指標が変わったという小規模な研究があります。 DNA損傷の指標は中間指標であり、それががんにつながる結果を示すものではありません。上の2026年の試験も酸化的DNA損傷に結びついた代謝物が減ったと書きましたが、それは代謝物であってがんではありません。

    「デトックス」という主張。

    アブラナ科野菜が肝臓の解毒酵素に影響するという研究があります。ただし「デトックス」という言葉自体が医学的に定義された表現ではありません。 体から何かを出すという主張は、何を、どれだけ、どう測ったのかを言ってはじめて意味を持ちます。このサイトはそうした資料を確認できていません。

    「ダイエットによい」という主張。

    100gで11kcalというのは事実です。 熱量の低い野菜で皿を埋めれば同じ満腹感で熱量が減ります。それは成分からそのまま出る算数です。

    ただしクレソンを食べさせて体重を測り、対照群と比べた試験をこのサイトは確認できていません。 そして葉物の100gは思うより大きなかさなので、実際には一皿に30gほどが載ります——3.3kcalです。

    まとめるとこうです。

    • 成分として確認されたこと:ビタミンK 250µg、ルテイン・ゼアキサンチン5,770µg、ビタミンA 160µg、ビタミンC 43mg、カルシウム120mg、熱量11kcal
    • 初期段階:乾燥カプセル8gで28日間LDLが下がった(26人、単盲検、予備試験)
    • 確認されていないこと:抗がん、デトックス、体重の減少
    • 必ず知っておくべきこと:ビタミンKが1日基準値の208%で、ワルファリンと相互作用します

上手な食べ方

  • サラダ一皿に30gほど載り、それだけでビタミンKが基準値の62%になります。
  • 生で食べるほうが自然です。 ビタミンCが熱に弱く、独特の辛みも生きます。
  • 流水でよく洗ってください。
  • 野生で採ったクレソンを生で食べないでください。 水辺で育ち寄生虫の危険があります。栽培品を買ってください。
  • 茎の硬い下の部分は切り落としてください。
  • 濡らしたキッチンペーパーに包んで冷蔵してください。水に浸けると傷みます。
  • 脂質のあるドレッシングと一緒に食べるとβ-カロテンとルテインの吸収に有利です。
  • スープに入れるとすぐしんなりします。 最後に入れて火を止めてください。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • ビタミンKが100gに250µgで1日基準値の208%です。 ワルファリンを服用中なら主治医に相談し、量を一定に保ってください。
  • 2026年の試験は野菜ではなく乾燥カプセル8gを使い、26人、単盲検、予備試験で、論文みずから探索的と書いています。
  • その試験でLDLは下がりましたが、ほかの脂質には一貫した効果がありませんでした。
  • 2020年と2021年のほかの試験も標準化抽出物を使ったもので、特定の集団が対象でした。
  • 野生のクレソンを生で食べないでください。 水辺で育つため寄生虫感染の危険が報告されています。
  • 抗がん・デトックス・体重減少に関する主張は人で確認されていません。
  • 甲状腺の病気があるなら、アブラナ科野菜を非常に多く食べることについて主治医に相談してください。

栄養成分

生クレソン100gあたりです。葉物なのでかさが大きく、100gなら大きな一束です。サラダ一皿に載る量は30g前後です。

ビタミンK
250 µg208%
ビタミンA
160 µg18%
ルテイン
5,770 µg
カリウム
330 mg7%
エネルギー
11 kcal<1%
炭水化物
1.29 g<1%
リン
60 mg5%
マンガン
0.244 mg11%
ビタミンB6
0.129 mg8%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

ほかの食材と一緒に計算してみる →

主な栄養素

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Untargeted 1H-NMR Metabolomics Identifies Candidate Metabolic Changes Associated with Watercress (Nasturtium officinale R.Br.) Supplementation in Adults with Low-to-Moderate Cardiovascular Risk: A Randomized Placebo-Controlled Trial臨床試験Maluwa C, et al. Nutrients 2026PMID 42588182
  2. 2Effect of watercress extract supplementation on lipid profile and oxidative stress markers in overweight people with physical disability: A randomized, double-blind, and placebo-controlled trial臨床試験Clemente M, et al. Phytotherapy Research 2021PMID 33507592
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4PubMed学術文献

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