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グアバ

グアバの効能:貧血は減ったのに、測ろうとしていた貯蔵鉄は増えませんでした

インドの学校給食で7か月行われた試験です。ヘモグロビンが上がり貧血が減りました。ところがこの試験が主要評価項目として前もって定めていた貯蔵鉄は、有意に増えませんでした。何が起きて何が起きなかったのかを分けて読む必要があります。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月30日更新 2026年10月12日9分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

グアバ
目次

どんな食材か

グアバはフトモモ科の木の果実で、中南米が原産、今では熱帯と亜熱帯の全域で育ちます。皮ごと食べ、果肉は品種によって白かピンクがかっています。中には非常にかたい種がたくさん入っていて噛むとこりこりしますが、飲み込んでもよく、濾して果肉だけ使うこともあります。香りが非常に強く、熟すと部屋中に広がるほどです。生で食べるほか、ジュースやジャムにも多く加工され、葉は乾かしてお茶にします。

学名 Psidium guajava

グアバはビタミンCが100gに228mgです。オレンジの4倍を超えます。

そのビタミンCで何ができるのかを実際に試した研究が2024年に出ました。 ビタミンCは植物性の鉄の吸収を上げます。ならば鉄の入った食事にビタミンCの多い果物を添えれば、貧血が減るのではないか、というわけです。

2024年《The Journal of Nutrition》。 インド・ハリヤーナー州の農村部の6〜10歳の児童200人(46%が貧血、71%が鉄欠乏)を二群に分け、7か月のあいだ学校給食として食べさせました。

  • 対照群——緑豆のダル一食(鉄3.0mg、ビタミンC対鉄のモル比およそ0.5対1)
  • グアバ群——同じダルに生のグアバを添える(鉄3.2mg、ビタミンC約170mg、モル比およそ18対1)

結果は順番に読む必要があります。

  • 主要評価項目である貯蔵鉄は有意に増えませんでした。 効果0.65mg/体重kg、95%信頼区間 −0.34〜1.63、p=0.197
  • ヘモグロビンは3.7g/L多く上がりました(p=0.001)
  • 貧血の有病率は51%多く下がりました(p=0.022)
  • 鉄欠乏性貧血は56%下がりましたが、p=0.087で有意水準を越えませんでした

論文の題そのものがこの結果を書いています——貧血を減らしヘモグロビンを上げたが、貯蔵鉄はそうではない、と。

主な効果

  1. 中程度の根拠

    ビタミンCが鉄の吸収を助けました——ただし貯蔵鉄までは満たせませんでした

    2024年《The Journal of Nutrition》。

    • インド・ハリヤーナー州の農村部の6〜10歳の児童200人
    • 開始時点で46%が貧血、71%が鉄欠乏
    • 無作為対照、7か月、学校給食として監督のもとで毎日提供
    • 両群とも緑豆のダルを受け、一方だけ生のグアバを添える
    対照群グアバ群
    鉄3.0mg3.2mg
    ビタミンC—約170mg
    ビタミンC対鉄のモル比約0.5対1約18対1

    結果です。

    指標結果
    貯蔵鉄(主要評価項目)0.65mg/kg、95%CI −0.34〜1.63、p=0.197——有意でない
    ヘモグロビン3.7g/L多く上昇(95%CI 1.6〜5.6、p=0.001)
    貧血の有病率51%多く減少(95%CI −74〜−10、p=0.022)
    鉄欠乏性貧血56%減少、p=0.087——有意でない

    開始時点で鉄欠乏だった子どもでは効果がより明確でした。

    長所から書きます。 200人、7か月は短くありませんし、学校で監督のもと食べさせたので、実際に食べたかどうかが確かです。 食事研究でいちばん多い弱点が遵守度ですが、この設計はそれを解決しています。比較の組み方もよい——鉄が3.0と3.2mgでほぼ同じで、違うのはビタミンCだけです。ですから何が働いたのかを言えます。

    ところが主要評価項目を外しました。

    貯蔵鉄とヘモグロビンは別のものです。 ヘモグロビンはいま血液が酸素を運ぶ力で、貯蔵鉄は体が貯めておいた余裕です。この試験は前者を上げましたが、後者を満たせませんでした。

    論文の結論がその違いを正確に書いています——吸収された鉄は増えたが、貯蔵鉄まで増やすほどではなかった、と。

    なぜ重要か。 貯蔵が空のままだと、給食が終わったあとに貧血へ戻りうるからです。 ヘモグロビンが上がったことは、問題が解決したことと同じではありません。

    そしてこの試験をそのまま別の食卓へ移すことはできません。

    • 対象が鉄欠乏の蔓延した地域の子どもです。71%が鉄欠乏でした。鉄が足りている人に同じ効果を期待する根拠ではありません
    • 毎食、緑豆のダルという特定の鉄源と組み合わせた結果です
    • グアバが与えたビタミンCは約170mg、生のグアバで約75gに相当します

    正直な結論です。

    • ビタミンCの多い果物を植物性の鉄の食事に添えれば吸収が上がる——この試験が支えるのはこれです
    • ただし主要評価項目だった貯蔵鉄は動きませんでした
    • 鉄欠乏のある人に当てはまる話です
    • 等級を「中程度」に置きます。 設計は良いが主要評価項目を外し、対象が特定です
    • これはグアバだけの性質ではありません。 ビタミンCの多い果物なら同じ方向に働きます
    [1]
  2. 栄養データ

    ビタミンC 228mg——果物のなかでも指折りの数字です

    生グアバ100gあたり:

    • ビタミンC 228mg
    • 食物繊維5.4g——果物としては非常に高い
    • リコピン5,200µg
    • カリウム417mg、葉酸49µg、マグネシウム22mg
    • 熱量68kcal、炭水化物14.3g、糖類8.92g
    • タンパク質2.55g、脂質0.95g、ナトリウム2mg
    • β-カロテン374µg、ビタミンA 31µg RAE、銅0.23mg

    228mgをほかの果物と並べるとこうなります。

    果物ビタミンC(100g)
    グアバ228mg
    キウイ92.7mg
    いちご58.8mg
    オレンジ53.2mg
    マンゴー36.4mg
    りんご4.6mg

    成人の推奨量が100mg前後なので、中くらい1個(約55g)ですでに1日分を超えます。

    食物繊維5.4gも注目に値します。 りんごが2.4g、マンゴーが1.6gです。この繊維のかなりの部分が種と種のまわりにあります。 ですから種を濾したジュースにすると、この値は大きく落ちます。

    リコピン5,200µgは生トマトより多い。 生トマトは100gに約2,570µgです。グアバの赤い果肉がその色素で、白い果肉の品種にはほとんどありません。

    ただしリコピンに1日の基準値はありません。 このサイトは基準値のない項目に比率を書きません。そしてリコピンを食べて何が良くなったのかを人で確かめた試験は、トマトの項目に書いた分がすべてです。

    糖類8.92gは果物のなかで低いほうです。 マンゴーが13.7g、バナナが12.2gです。熱量68kcalに繊維5.4gが一緒にあるので、同じ糖を持つ果物より血糖がゆっくり上がります。

    選び方。 熟すと香りが強くなり、皮が緑から黄色へ変わります。指先に軽く沈む程度が食べごろです。 固いものは常温に置けば数日で熟します。

    皮ごと召し上がってください。 ビタミンCと繊維は皮とそのすぐ下に集まっています。よく洗って皮ごと切ればよい。

    種は固いです。 品種によっては歯が痛むほど固いものがあるので、子どもや歯の弱い方は中をくり抜いても構いません。ただしその分、繊維が減ります。

  3. 確認されていない

    血糖と下痢に関する主張は、このサイトでは確認できませんでした

    グアバによくつく主張が二つあります。どちらも人での確かな根拠を見つけられませんでした。

    第一に、血糖を下げるという主張です。

    2019年に、グアバの果実を超臨界二酸化炭素で抽出した物質が腸でのブドウ糖吸収を抑えたという二重盲検の研究があります。

    ところがこの研究が使ったのは果物ではなく抽出物です。 このサイトのセロリの項目に書いたのと同じ問題です——抽出物から出た結果を、その食品を食べることに移すことはできません。抽出は特定の成分だけを選んで濃縮する工程で、果物を食べるときに入ってくるものとは量も組成も違います。

    グアバ葉茶に関する主張はさらに注意が要ります。 グアバの葉は果実とは別の材料で、この項目は果実についてのものです。

    第二に、下痢を止めるという主張です。

    伝統的に使われてきた用途ですが、このサイトはグアバの果実を食べさせて下痢を測り、対照群と比べた臨床試験を見つけられませんでした。

    第三に、血小板に関する主張です。

    2016年に健康な志願者を対象に、グアバジュースの血小板抑制作用を見た無作為試験があります。ただしこれは血小板凝集という実験室の指標であって、出血や血栓のような結果ではなく、規模も小さい。 そして方向が良いばかりでもありません——抗血小板薬や抗凝固薬を服用中なら、むしろ注意すべき点です。

    まとめるとこうです。

    • 確認されたこと:ビタミンCの多いグアバを鉄の入った食事に添えると貧血が減った(主要評価項目の貯蔵鉄は除く)
    • 確認されていないこと:血糖の低下、下痢の改善
    • 成分として確認されたこと:ビタミンC 228mg、食物繊維5.4g、リコピン5,200µg

    成分が多いことと、人が食べて何かが良くなることは別の主張です。 このサイトはその二つを違う等級で表示します。

上手な食べ方

  • 皮ごと召し上がってください。 ビタミンCと繊維は皮とそのすぐ下に集まっています。
  • 中くらい1個が約55gで、それだけで成人の1日のビタミンCを超えます。
  • 鉄の入った食事に添えれば植物性の鉄の吸収に有利です。豆・青菜・全粒穀物と一緒に。
  • ジュースにしないでください。 種を濾すと繊維5.4gのかなりの部分が消えます。
  • 種が固いです。 歯が弱ければ中をくり抜いてよいが、その分繊維が減ります。
  • 固ければ常温に。 香りが強くなり指先に軽く沈むころが食べごろです。
  • 熟してから冷蔵してください。
  • リコピンは赤い果肉の品種にあります。 白い果肉にはほとんどありません。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • 貧血試験の主要評価項目だった貯蔵鉄は有意に増えませんでした(p=0.197)。増えたのはヘモグロビンと貧血の有病率です。
  • その試験の対象は鉄欠乏が71%だった地域の6〜10歳の子どもです。鉄が足りている人にそのまま当てはめる根拠ではありません。
  • 鉄欠乏性貧血の減少はp=0.087で有意水準を越えませんでした。
  • 血糖を下げるという研究は果実ではなく超臨界抽出物で行われたものです。
  • 下痢に関する主張は人を対象にした試験を見つけられませんでした。
  • 抗血小板薬や抗凝固薬を服用中なら、血小板抑制を見た小規模試験があるので主治医に相談してください。
  • グアバの葉と葉茶は果実とは別の材料です。この項目は果実についてのものです。

栄養成分

生グアバ100gあたりです。中くらい1個が約55gなので、下の数字は2個に少し足りない量です。皮ごと食べた値です。

ビタミンC
228 mg253%
食物繊維
5.4 g19%
リコピン
5,200 µg
カリウム
417 mg9%
葉酸
49 µg12%
炭水化物
14.3 g5%
糖質
8.92 g
脂質
0.95 g1%
リン
40 mg3%
銅
0.23 mg26%
鉄
0.26 mg1%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

ほかの食材と一緒に計算してみる →

主な栄養素

お悩み別の根拠

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Vitamin C-Rich Guava Consumed with Mungbean Dal Reduces Anemia and Increases Hemoglobin but not Iron Stores: A Randomized Controlled Trial of Food-to-Food Fortification in Indian Children臨床試験Rani V, et al. The Journal of Nutrition 2024PMID 39481541
  2. 2USDA FoodData Central食品成分データベース
  3. 3PubMed学術文献
  4. 4World Health Organization · Healthy diet保健機関

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