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クコの実

クコの実の効能:27人の盲検なし予備試験が黄斑色素を測っています

クコの実を食べて黄斑色素光学密度が上がったという試験があります。27人で、盲検がなく、自ら予備試験だと書いています。そしてその結果を説明するというゼアキサンチンは、この食品の成分表に載っていません。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月30日更新 2026年10月12日9分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

クコの実
目次

どんな食材か

クコの実はナス科の低木の果実で、細長い橙がかった赤い実です。中国北西部が原産で、韓国と中国で古くから薬材であり食材でもありました。生の実は傷みやすく流通に向かないため、ほぼ全量が乾燥されて使われます。干したものはレーズンのように もちっとして、ほのかに甘く少し苦い後味があります。茶として煎じたり、かゆや薬膳に入れたり、そのままつまんだりします。ワルファリンを服用中の方は相互作用の報告があるため注意が必要です。

学名 Lycium barbarum

クコの実は目によいという話が長くついてきた食材です。その話を人で試した研究が二つあります。

2021年《Nutrients》。 45〜65歳の健康な成人27人を二群に分け、90日を過ごしました。

  • クコ群——乾燥クコの実28gを週5回
  • 比較群——ルテイン6mgとゼアキサンチン4mgのサプリメント

結果です。

  • 黄斑色素光学密度(MPOD)がクコ群で上がりました——網膜離心率0.25でp=0.029、1.75でp=0.044
  • サプリメント群では変化がありませんでした
  • 皮膚カロテノイドはクコ群で45日と90日に上がりました(p=0.025、p=0.006)

ここで止めればよい知らせです。ところがこの試験の設計を見る必要があります。

  • 27人です。 二群に分ければ一群に13〜14人です
  • 盲検がありません。 乾いた実とカプセルは誰が見ても区別がつきます
  • プラセボ群がありません。 比べた相手は何も飲まない群ではなく別のサプリメントです
  • 論文の題に「予備試験」と書かれています

そして黄斑色素光学密度は視力ではありません。 黄斑に溜まった色素の量を測る代理指標であり、この試験は参加者の目が実際にどうなったかを測っていません。

主な効果

  1. 初期の研究

    黄斑色素は上がりました——ただし27人、盲検なし、そして視力ではありません

    2021年《Nutrients》——カリフォルニア大学デービス校。

    • 45〜65歳の健康な成人27人
    • 無作為、盲検なし、平行群、90日
    • クコ群:乾燥クコの実28gを週5回
    • 比較群:ルテイン6mg + ゼアキサンチン4mgのサプリメント
    指標クコ群サプリメント群
    MPOD、離心率0.25上昇(p=0.029)変化なし
    MPOD、離心率1.75上昇(p=0.044)変化なし
    皮膚カロテノイド45日上昇(p=0.025)変化なし
    皮膚カロテノイド90日上昇(p=0.006)変化なし

    おもしろい点から書きます。 食べもので摂った側が上がり、サプリメントの側は上がりませんでした。 同じ系統の色素なのにです。食品のマトリックスが吸収に影響するという方向の結果で、このサイトのほかの項目とも一貫しています。

    ところがこの結果にどれだけ体重を預けられるかは、正確に言わなければなりません。

    第一に、27人です。 二群に分ければ一群13〜14人。この規模では偶然の差と本物の差を分けるのが難しい。

    第二に、盲検がありません。 論文みずから「unmasked」と書いています。乾いた実ひと握りとカプセル一粒は、参加者にも研究者にも区別がつきます。MPODの測定は参加者が光に反応してボタンを押す心理物理学的手法を使うことが多く、何を摂っているか知っていることが結果に紛れ込む余地があります。

    第三に、比較相手がプラセボではありません。 サプリメント群です。ですからこの試験が示したのは「クコが何も摂らないより良い」ではなく、「クコがこのサプリメントよりMPODをよく上げた」です。

    第四に、MPODは視力ではありません。 加齢黄斑変性の危険指標として使われる代理指標です。この試験は参加者の視力も、黄斑変性の発生も測っていません。 論文の最後の文は「黄斑変性の発症を防ぐか遅らせる助けになりうる」ですが、27人の90日の代理指標から疾患の予防へ飛んだ文です。

    2011年《Optometry and Vision Science》にも、クコと黄斑の特性・血漿の抗酸化指標を見た無作為試験があります。方向は同じですが、やはり小規模です。

    正直な結論です。

    • 乾燥クコの実を続けて食べれば黄斑に溜まる色素が増えうる——この試験が支えるのはここまでです
    • それが目がよく見えるようになるとか、黄斑変性を防ぐという意味ではありません
    • 27人、盲検なし、予備試験です
    • 等級を「初期の研究」に置きます
    • 目の健康が目的なら、ルテイン・ゼアキサンチンの多い野菜のほうが根拠が厚い——ケールとほうれん草の項目を見てください
    [1][2]
  2. 栄養データ

    乾燥果実です——糖類45.6g、そしてナトリウム298mg

    乾燥クコの実100gあたり:

    • 熱量349kcal、炭水化物77.1g、糖類45.6g、食物繊維13.0g
    • タンパク質14.3g——乾燥果実としては非常に高い
    • 脂質0.39g
    • 鉄6.8mg、カルシウム190mg
    • ビタミンC 48.4mg
    • ナトリウム298mg

    まずこの表に欠けているものを言わなければなりません。

    米国農務省のこの項目は資料が粗い。 マグネシウム、カリウム、亜鉛、ビタミンAなどが空欄です。ないという意味ではなく、この記録に測定値が載っていないという意味です。

    そしていちばん皮肉な空欄がゼアキサンチンです。 上の試験の論理の全体がクコのゼアキサンチンに寄りかかっているのに、この食品の公式の成分表にゼアキサンチンの値がありません。 ですからこのサイトはその数字を書きません。ほかの資料から引いて埋めれば表の出典が混ざり、その瞬間この表は信用できなくなります。

    では載っている数字を読みます。

    糖類45.6gがまず見るべき数字です。 乾燥果実なので当然です——水が抜けて糖が濃縮されます。試験が使った1日28gなら糖類は約12.8g、熱量は98kcalです。

    100g1日28g(試験の量)
    熱量349kcal98kcal
    糖類45.6g12.8g
    食物繊維13.0g3.6g
    鉄6.8mg1.9mg
    ナトリウム298mg83mg

    ナトリウム298mgは乾燥果実のなかで目立つ値です。 レーズンが11mg、プルーンが2mg程度。100gに298mgなら1日基準値の13%です。加工の工程と関係があるかもしれませんが、この表だけでは理由を言えません。

    食物繊維13.0gとタンパク質14.3gは乾燥果実としては高い。 種ごと食べるからです。

    鉄6.8mgも高く見えます。 ただし植物性の鉄で、このサイトのグアバとアマランサスの項目に書いたように、含有量が多いことと吸収されることは別の話です。

    どう食べるか。 そのまま噛んでもよく、水で戻して粥や飯に入れたり、茶に淹れたりします。茶にすると水に溶けるものだけが出ます——繊維とタンパク質は具に残ります。

    密閉して涼しい場所に。 湿気を吸うと互いにくっつき、かびやすくなります。長く置くなら冷凍してください。

  3. 確認されていない

    視力・免疫・肝臓に関する主張は確認されていません——そしてワルファリン注意

    クコの実につく主張は多いのですが、人で確認されたのは上の黄斑色素ひとつだけです。

    「目がよくなる」という主張。 上に書いたとおり、試験が測ったのは黄斑に溜まった色素の量であって視力ではありません。このサイトはクコの実を食べさせて視力を測り、対照群と比べた試験を見つけられませんでした。

    「免疫を高める」という主張。 クコの多糖が実験室で免疫細胞に作用するという研究は多い。細胞や動物で観察された作用は、人が食べたときの結果とは別の主張です。 人で感染が減ったといった結果を、このサイトは確認できていません。

    「肝臓を守る」という主張。 伝統的に使われてきた用途で、動物研究があります。人では確認されていません。

    そして必ず書いておくべき相互作用があります。

    ワルファリンを服用中ならクコの実に注意してください。

    クコのジュースや茶を飲んだあとにINRが上がり出血が起きた症例報告が複数あります。 機序は完全には明らかでありませんが、ワルファリンを代謝する酵素への影響が説明として示されてきました。

    これは成分表から読み取れることではありません。 そしてこのサイトのチョングクチャン・納豆の項目に書いたビタミンKの問題とも別の経路です。ワルファリンを飲んでいるなら、クコを新たに始める前に主治医に相談してください。

    血圧の薬や血糖の薬を飲んでいる方も注意が要るという報告があります。

    妊娠中はおすすめしません。 伝統的に子宮収縮と結びついた記録があり、安全性を確かめた試験がありません。

    まとめるとこうです。

    • 確認されたこと:90日間、週5回28gで黄斑色素が上がった(27人、盲検なし、予備試験)
    • 確認されていないこと:視力の改善、免疫の増強、肝臓の保護
    • 注意すべきこと:ワルファリンとの相互作用の症例報告、妊娠中の使用

上手な食べ方

  • 試験が使った量は1日28g、週5回です。およそ一握りで98kcal、糖類12.8gです。
  • 乾燥果実なので糖が濃縮されています。 血糖を管理中なら量を数えてください。
  • そのまま噛むか、水で戻して粥や飯に入れるか、茶に淹れます。
  • 茶にすると繊維とタンパク質は具に残ります。 具まで食べればその分入ります。
  • ナトリウムが100gに298mgで、乾燥果実のなかでは高いほうです。
  • 密閉して涼しい場所に置いてください。湿気を吸うとくっつき、かびやすくなります。
  • 長く置くなら冷凍してください。
  • 目の健康が目的なら、ルテイン・ゼアキサンチンの多いケールとほうれん草の根拠のほうが厚い。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • ワルファリンを服用中なら主治医に相談してください。 INRの上昇と出血が症例報告されています。
  • 血圧薬・血糖薬との相互作用の可能性が報告されています。
  • 妊娠中はおすすめしません。 安全性を確かめた試験がありません。
  • 黄斑色素の試験は27人、盲検なしの予備試験で、比較相手はプラセボではなくサプリメントでした。
  • その試験が測ったのは黄斑に溜まった色素であって視力ではありません。
  • 糖類が100gに45.6gです。乾燥しているので濃縮されています。
  • ナトリウムが100gに298mgで、乾燥果実としては高い。
  • 成分表に欠けている項目が多い。 ゼアキサンチンの値が載っていないので、このサイトは書きません。
  • 免疫・肝臓に関する主張は人で確認されていません。

栄養成分

乾燥クコの実100gあたりです。下の試験が使った1日28gはおよそ一握りで、この表の28%にあたります。米国農務省のこの項目は資料が粗く、空欄の栄養素が多い——ないという意味ではなく、測定値が載っていないという意味です。

エネルギー
349 kcal17%
炭水化物
77.1 g28%
糖質
45.6 g
食物繊維
13.0 g46%
脂質
0.39 g<1%
鉄
6.8 mg38%
ビタミンC
48.4 mg54%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

ほかの食材と一緒に計算してみる →

主な栄養素

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Goji Berry Intake Increases Macular Pigment Optical Density in Healthy Adults: A Randomized Pilot Trial臨床試験Li X, et al. Nutrients 2021PMID 34959963
  2. 2Goji berry effects on macular characteristics and plasma antioxidant levels臨床試験Bucheli P, et al. Optometry and Vision Science 2011PMID 21169874
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4PubMed学術文献

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