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パプリカ

パプリカの効果:ビタミンC 128mg、オレンジの2倍以上

赤パプリカ100gにビタミンC 128mg。ただし風邪を予防するという根拠はコクランのレビューからは出ていません。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月15日更新 2026年10月12日4分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

パプリカ
目次

どんな食材か

パプリカはナス科トウガラシ属の果実で、とうがらしと同じ種です。中南米が原産です。辛みのもとであるカプサイシンがほとんど出ないよう改良された品種なので、同じ種でありながら辛くなく甘みがあります。緑・黄・橙・赤はおおむね熟し具合の違いで、熟すほど甘みと色素が増します。生のまましゃきっと食べるほか、焼くと皮がむけて甘みがいっそう濃くなります。

学名 Capsicum annuum

ビタミンCといえば柑橘を思い浮かべますが、実際に最上位に入るのは 赤パプリカ です。100gに128mg — オレンジ(53mg)の2倍を超えます。

成人1日推奨量は75〜90mgなので、パプリカ半分で満たせます。

ところがビタミンCの名声の多くは「風邪」に結びついています。ここは正直であるべきです。コクランのレビュー(11,306人、29件の比較)では、一般の人の風邪の発生率は減りませんでした。 減ったのは風邪の持続期間で、しかも8%程度です。

パプリカを食べる理由は十分ありますが、風邪予防はその理由ではありません。

主な効果

  1. 栄養データ

    ビタミンC 128mg — 1日推奨量の1.5倍

    生の赤パプリカ100gに ビタミンC 128mg。成人1日推奨量75〜90mgを一度に超えます。

    比べるとオレンジ53mg、いちご59mg、ブロッコリー89mg、レモン53mg。よく食べる野菜・果物のなかで最上位です。

    色による差が大きい。緑パプリカは約80mg、黄は184mg、赤は128mg ほどです。緑は未熟なもので、熟すにつれてビタミンCとカロテノイドが増えます。

    そこに β-カロテン1,620µg(ビタミンA 157µg RAE)、ビタミンB6 0.29mg、ビタミンE 1.58mgが加わります。野菜でビタミンEがこれだけあるのは珍しい。

    ビタミンCは 非ヘム鉄の吸収を大きく上げます。 豆・青菜・穀物から鉄をとるなら、パプリカを同じ皿に置くのは実際的な方法です。

  2. 確認されていない

    風邪の予防効果は確認されていない

    ビタミンCと風邪に関するコクランのレビューです。定期的な摂取が風邪の発生を減らすかを見た29件の比較(11,306人)で、一般集団10,708人の統合リスク比は0.97(95% CI 0.94〜1.00) — 実質的に効果はありませんでした。

    例外があります。マラソン走者、スキー選手、亜寒帯で訓練中の兵士598人では、リスク比が 0.48(0.35〜0.64) と半分近くまで下がりました。極端な身体的ストレス下でのみ出た結果です。

    持続期間は減りました。成人 8%(3〜12%)、子ども 14%(7〜21%)。子どもが1日1〜2gをとると18%まで減りました。

    重要な但し書き:このレビューは1日0.2g未満の試験を除外しています。つまり 200mg以上のサプリメント試験 であり、パプリカ1個(約128mg)ではその用量に届きません。

    まとめると、「パプリカを食べれば風邪をひかない」を支える根拠はありません。

    [1]
  3. 中程度の根拠

    野菜の摂取量が増える側の根拠

    前向き研究95件(142編)をまとめた用量反応メタ分析です。果物・野菜を 1日200g増やすごとに、冠動脈疾患0.92、脳卒中0.84、心血管疾患0.92、総死亡0.90の相対リスクが観察されました。

    パプリカは100gで26kcalしかないので、総量を増やすのに負担が小さい。1個はふつう150gほどなので40kcal前後です。

    生で食べやすい という点も実際的です。調理による損失なしにビタミンCをそのまま得られる野菜は多くありません。

    ただしこの根拠は観察研究をまとめたもので、「野菜の総量」についてであってパプリカについてではありません。

    [2]

上手な食べ方

  • ビタミンCを狙うなら生で。 熱と水に弱く、ゆでるとかなりが失われるか湯に出ます。
  • カロテノイドを狙うなら油で炒める。 二つの栄養素が反対の調理を求めます。生と炒めを交互に使えばよい。
  • 赤と黄は緑より熟しています。 甘み、ビタミンC、カロテノイドがいずれも多い。
  • 鉄が足りないなら豆やナムルにパプリカを加えて。 ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を上げます。
  • 洗って冷蔵すれば1週間ほど持ちます。 へた側から傷むので、そこを確認してください。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • 風邪予防を期待しないでください。 上のコクランのレビューが理由です。
  • ビタミンCのサプリを高用量でとると 下痢と腎結石のリスクが上がります。上限は1日2,000mg。パプリカで到達するのは困難です。
  • ナス科の野菜が関節炎を悪化させるという主張は広く出回っていますが、人での信頼できる根拠は確認できませんでした。
  • 口腔アレルギー症候群。 シラカバやヨモギの花粉症があると、生のパプリカで口の中がかゆくなることがあります。加熱すればたいてい大丈夫です。
  • 上の数値は 生の赤パプリカ 基準です。色と熟度によりビタミンCは80〜184mgと変わります。

栄養成分

可食部100gあたりのおおよその値です。

ビタミンC
128 mg142%
ビタミンA
157 µg17%
ビタミンB6
0.29 mg17%
ビタミンE
1.58 mg11%
葉酸
46 µg12%
カリウム
211 mg4%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

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主な栄養素

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Vitamin C for preventing and treating the common coldメタ分析Hemilä H, et al. Cochrane Database Syst Rev 2013PMID 23440782
  2. 2Fruit and vegetable intake and the risk of cardiovascular disease, total cancer and all-cause mortality-a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studiesメタ分析Aune D, et al. Int J Epidemiol 2017PMID 28338764
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4NIH Office of Dietary Supplements保健機関
  5. 5Cochrane Library系統的レビュー
  6. 6PubMed学術文献

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