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ピーカンナッツ

ピーカンの効能:普段の食事に足しただけでもLDLが下がりました——マカダミアとは逆です

2021年の試験は珍しく二つを同時に見ました。ピーカンを足しただけの群と、ほかの食べ物を抜いて入れた群。どちらも総コレステロール・LDL・中性脂肪・アポリポ蛋白Bが下がり、対照群は動きませんでした。ただし1日68g、群ごとに16〜18人です。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月29日更新 2026年10月12日9分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

ピーカンナッツ
目次

どんな食材か

ペカンはクルミ科の木の種子で、くるみと同じ科です。北アメリカ南部が原産で、世界の生産の大半をアメリカが占めます。くるみより細長く殻が滑らかで、仁はくるみと同じようにしわのある二片に分かれます。渋みがくるみより少なく甘みがある傾向なので、菓子によく使われます。脂質が非常に多く酸化が早いため、密閉して冷蔵か冷凍すると長もちします。

学名 Carya illinoinensis

このサイトのマカダミアの項目にはこう書いてあります——普段の食事にナッツを載せただけの試験では脂質が動かなかった。

ピーカンは逆でした。 その違いを見るのがこの文書の目的です。

2021年《The Journal of Nutrition》。 心血管疾患リスクのある成人56人(BMI 28以上または高コレステロール血症)を三群に分け、8週間を過ごしました。

  • 対照群(18人)——普段どおり
  • ADD群(16人)——普段の食事にピーカン68gを足す
  • SUB群(18人)——同じ熱量のほかの食べ物を抜いてピーカン68gを入れる

ピーカンの二群ともに下がりました。

指標ADD群SUB群
総コレステロール204 → 195mg/dL205 → 195mg/dL
LDLコレステロール143 → 129mg/dL144 → 135mg/dL
中性脂肪139 → 125mg/dL133 → 120mg/dL
非HDLコレステロール151 → 140mg/dL155 → 143mg/dL
アポリポ蛋白B99.1 → 93.0mg/dL104 → 97.1mg/dL
対照群変化なし

足しただけでも動きました。 マカダミアの試験ではそうなりませんでした。ナッツなら同じ、ではないということです。

主な効果

  1. 中程度の根拠

    足した群も入れ替えた群も下がりました——ただし1日68g、群ごとに16人です

    2021年《The Journal of Nutrition》。 この試験の設計には珍しい長所があります。

    食品研究でいつも引っかかる問いが「効果はその食品のせいか、それともそれによってほかを減らしたせいか」です。この試験はその問いを設計の中に入れました。

    • 対照群 18人——普段どおり
    • ADD 16人——普段の食事にピーカン68gを足すだけ
    • SUB 18人——同じ熱量のほかの食べ物を抜いてピーカン68gを入れる
    • 開始時と8週時点に高脂肪食を摂り、4時間の食後採血
    • clinicaltrials.gov 登録(NCT04376632)

    結果は上の表のとおりで、食後の指標も分かれました。

    • ADD群——食後中性脂肪が低下(p≤0.01)
    • SUB群——食後血糖が低下(p<0.05)
    • 空腹時脂質の変化はピーカン二群でいずれもp≤0.05、対照群では変化なし

    これをどう読むか。

    第一に、マカダミアと並べると絵がはっきりします。 マカダミアの2023年の自由生活試験は普段の食事に1日の熱量の15%分を足しましたが、どの脂質も有意に動きませんでした。 ピーカンのADD群は動きました。

    差を生みうるものはいくつかあります。 脂肪酸の構成が違います——マカダミアは多価不飽和脂肪酸が1.5gですが、ピーカンは21.6gです。食物繊維も8.6g対9.6gで少し違う。対象者も違います。ただしこれらの試験が互いを直接比べたわけではありません。 なぜ分かれたのかは、この資料では言えません。

    第二に、それでも「足すだけでよい」と読んではいけません。 ADD群は毎日68gのピーカンを普段の食事の上に載せました。68gは約470kcalです。8週間それを足し続けても脂質が良くなったのは興味深いですが、熱量が消えたわけではありません。論文は体重の変化を抄録に載せていません。

    第三に、群ごとに16〜18人です。 とても小さい。そして参加者はBMI 28以上または高コレステロール血症のある人でした。脂質がすでに高い人でより大きく下がるのはよくあることで、健康な人に同じ幅が出るという意味ではありません。

    第四に、変化はおおむね開始値に対して報告されています。 ただし対照群があり、そちらは動かなかったので、群間比較の骨格はあります。

    第五に、後続の試験があります。 2025年の同じ学術誌の試験は、脂質粒子濃度が普段の摂取と比べて改善したと報告しました。方向は同じです。

    正直な結論です。

    • ピーカンが脂質を動かすという方向は二つの試験で一貫しています
    • ただし1日68gで、群ごとに16人から18人です
    • 脂質がすでに高い人から出た結果です
    • 等級を「中程度の根拠」に置きます——一貫しているが規模が小さい
    [1][2]
  2. 栄養データ

    脂質72gに食物繊維9.6g、ところがビタミンEは低い

    生ピーカン100gあたり:

    • 熱量691kcal、脂質72.0g——飽和6.18g、一価不飽和40.8g、多価不飽和21.6g
    • 食物繊維9.6g、炭水化物13.9g、糖類3.97g、タンパク質9.17g
    • マンガン4.5mg、亜鉛4.53mg、銅1.2mg
    • マグネシウム121mg、リン277mg、カリウム410mg
    • ビタミンE 1.4mg、ビタミンK 3.5µg、葉酸22µg
    • ナトリウム0mg、コレステロール0

    ひとつかみ(30g、半割19個ほど)に換算すると:

    100gひとつかみ(30g)試験の用量(68g)
    熱量691kcal207kcal470kcal
    脂質72.0g21.6g49.0g
    食物繊維9.6g2.9g6.5g
    マンガン4.5mg1.35mg3.06mg

    食物繊維9.6gはナッツの中で高いほうです。 アーモンドが12.5gで上ですが、くるみ6.7gやマカダミア8.6gよりは上です。

    マンガン4.5mgは100gで成人の目安量を超えます(男性4.0mg、女性3.5mg程度)。ひとつかみでも1.35mg、1日分の3分の1ほどです。

    飽和脂肪酸は6.18gと低いほうです。 脂質72gのうち8.6%にすぎず、マカダミア(12.1g)の半分です。一価不飽和40.8gと多価不飽和21.6gが残りを埋めます。

    ところがビタミンEは1.4mgです。 アーモンドは100gに25.6mg。ピーカンもマカダミアと同じくビタミンEの供給源ではありません。 「ナッツはビタミンEが多い」という一般化はここでも当てはまりません。

    熱量691kcalはマカダミアに次いで高い。

    ナッツ熱量脂質食物繊維
    マカダミア718kcal75.8g8.6g
    ピーカン691kcal72.0g9.6g
    松の実673kcal68.4g3.7g
    くるみ654kcal65.2g6.7g
    アーモンド579kcal49.9g12.5g

    ひとつかみ207kcalです。数えて召し上がってください。

    密閉して冷蔵か冷凍してください。多価不飽和脂肪酸が21.6gあり、常温では速く酸敗します。苦みが出たら捨ててください。

    いるときは乾いたフライパンで弱火3〜4分。 脂質が多くすぐ焦げます。色ではなく香りで判断を。

  3. 確認されていない

    「抗酸化力が最も高いナッツ」——その順位を作った指標を米農務省が取り下げました

    この項目はよく引かれる数字ひとつについてです。

    ピーカンを紹介する文章に「ナッツの中で抗酸化力1位」という表現がよくつきます。根拠として示されるのはたいていORACという値です。

    ORACとは何か。 酸素ラジカル吸収能の略で、試験管の中である物質がラジカルをどれだけ捕まえるかを測る実験です。米農務省がかつて食品別のORAC値をデータベースとして公開し、その表でピーカンがナッツの上位に入りました。

    そのデータベースは今ありません。 米農務省は2012年に当該データベースを自サイトから取り下げました。 理由はそれらの値が人の健康への影響と関連がないということで、食品業界がマーケティングに誤用しているという点も併せて指摘されました。

    なぜ関連がないのか。

    第一に、試験管と体は違います。 ラジカルと抗酸化物質を一つの皿に入れて測るのと、口から入った物質が消化され吸収され組織に届くのは別の過程です。

    第二に、吸収されなければ意味がありません。 ポリフェノールの多くはそのまま吸収されず、腸で代謝されるか排泄されます。試験管で高い値を出した物質が血液にほとんど届かないことはよくあります。

    第三に、順位は食品の価値を語りません。 香辛料のようにごく少量しか食べないものが100g基準の順位では上に来ます。このサイトがウコンやシナモンを栄養素のランキングから外すのと同じ理由です。

    ですからこのサイトはピーカンのORAC順位を効能として書きません。

    代わりに確かめられたことは前の二項目に書いてあります。 二件の無作為化試験で総コレステロールとLDL、中性脂肪、アポリポ蛋白Bが下がりました。そちらは人で測った結果です。

    ナッツアレルギーがあるならピーカンもリストに入ります。くるみと同じ科(クルミ科)なので、くるみに反応したことがあるなら特に注意してください。

上手な食べ方

  • ひとつかみは30g、半割19個ほど、207kcalです。取り分けて召し上がってください。
  • 試験が使った1日68gは470kcalです。そのまま真似る量かどうか、まず考えてみてください。
  • 密閉して冷蔵か冷凍してください。多価不飽和脂肪酸が多く酸敗が早い。
  • 苦みが出たら酸敗しています。捨ててください。
  • いるときは乾いたフライパンで弱火3〜4分、色ではなく香りで判断を。
  • ビタミンEを期待しないでください。 100gに1.4mg、アーモンドの18分の1ほどです。
  • 塩や砂糖をまぶした製品は表示を確認してください。生は0mgです。
  • くるみアレルギーがあるなら同じ科なので特に注意してください。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • 試験の用量は1日68g(約470kcal) です。ひとつかみとは違う量です。
  • 群ごとに16〜18人と小さく、参加者はBMI 28以上または高コレステロール血症のある人でした。健康な人に同じ幅が出るという意味ではありません。
  • マカダミアと結果が分かれた理由は、この資料では説明できません。 二つの試験が互いを直接比べたわけではありません。
  • 「抗酸化力1位」の根拠であるORACデータベースは2012年に米農務省が取り下げました。 人の健康と関連がないというのが理由です。
  • 100gに691kcalと、よくあるナッツの中で二番目に高い。
  • ビタミンEは低い。 ナッツ一般のイメージとは違います。
  • ナッツアレルギーがあるなら該当し、くるみと同じ科です。
  • 多価不飽和脂肪酸が多く酸敗が早い。 常温保存は避けてください。

栄養成分

生ピーカンナッツ100gあたりです。ひとつかみが30g、半割で19個ほど。下の試験が使った1日68gは2つかみを超える量です。

エネルギー
691 kcal35%
脂質
72.0 g92%
食物繊維
9.6 g34%
マンガン
4.5 mg196%
亜鉛
4.53 mg41%
銅
1.2 mg133%
リン
277 mg22%
カリウム
410 mg9%
炭水化物
13.9 g5%
糖質
3.97 g

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

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主な栄養素

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出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Pecan-Enriched Diets Alter Cholesterol Profiles and Triglycerides in Adults at Risk for Cardiovascular Disease in a Randomized, Controlled Trial臨床試験Guarneiri LL, et al. The Journal of Nutrition 2021PMID 34383903
  2. 2Pecan Intake Improves Lipoprotein Particle Concentrations Compared with Usual Intake in Adults at Increased Risk of Cardiometabolic Diseases: A Randomized Controlled Trial臨床試験Hart TL, et al. The Journal of Nutrition 2025PMID 40113170
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4PubMed学術文献
  5. 5NIH Office of Dietary Supplements保健機関

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