ホーム
IngredientHealth Benefits

マカダミアナッツ

マカダミアの効能:コレステロールが下がった試験と下がらなかった試験——違いは飽和脂肪酸でした

2008年の管理給食試験では総コレステロールとLDLが有意に下がり、2023年の自由生活試験ではどの指標も有意に動きませんでした。 決定的な違いはマカダミアではなく、何を代わりに減らしたかでした。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月28日更新 2026年10月12日10分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

マカダミアナッツ
目次

どんな食材か

マカダミアはオーストラリア東部原産の木の種子です。このサイトのナッツの中で原産地がオーストラリアである唯一の作物で、今ではハワイや南アフリカでも多く栽培されています。殻はナッツの中でも屈指のかたさで手では割れないため、片側に切れ目を入れた状態で流通するのがふつうです。脂質の割合はナッツの中でも最も高い部類で、その脂の大半が一価不飽和脂肪です。やわらかくバターのような口あたりはそのためです。

学名 Macadamia integrifolia

マカダミアはナッツの中で脂質が最も多い。100gに75.8g、熱量は718kcalです。

そのナッツがコレステロールを下げるという話があります。 根拠となる試験は実際にあり、逆の結果を出した試験もあります。二つを並べると何が起きたのかが見えます。

2008年《The Journal of Nutrition》——管理給食。 軽度高コレステロール血症の25人にマカダミア食と平均的なアメリカ食を5週ずつ食べさせました。

  • 総コレステロール 5.45 → 4.94mmol/L(p<0.05)
  • LDL 3.44 → 3.14mmol/L(p<0.05)
  • 中性脂肪は変化なし

2023年《Journal of Nutritional Science》——自由生活。 腹部肥満のある成人35人が、普段の食事にマカダミアを1日の熱量の15%分加えて8週、加えずに8週。

  • 体重、BMI、ウエスト、体脂肪率、血糖指標——いずれも有意な変化なし
  • 総コレステロール −2.1%(−4.3mg/dL、95% CI −14.8〜6.1)——有意でない
  • LDL −4%(−4.7mg/dL、95% CI −14.3〜4.8)——有意でない

違いがどこにあったかを見てください。 2008年のマカダミア食は飽和脂肪酸7%、比較食は13%でした。2023年の試験では飽和脂肪酸の摂取が変わっていません。

つまりコレステロールを動かしたのはマカダミアを足したことではなく、マカダミアで飽和脂肪酸を押し出したことでした。

主な効果

  1. 初期の研究

    飽和脂肪酸を入れ替えたときだけ動きました——足しただけのときは動きませんでした

    マカダミアを人に食べさせた無作為化試験二件が別の答えを出します。その差こそがこの項目の核心です。

    2008年、《The Journal of Nutrition》。

    • 軽度高コレステロール血症25人(女性15、男性10)、無作為クロスオーバー管理給食、各食5週
    • マカダミア食(MAC):2,100kcalあたり42.5g(1.5オンス)。総脂質33%、飽和7%、一価不飽和18%、多価不飽和5%
    • 平均的アメリカ食(AAD):総脂質33%、飽和13%、一価不飽和11%、多価不飽和5%
    指標マカダミア食アメリカ食
    総コレステロール4.94mmol/L5.45mmol/Lp<0.05
    LDLコレステロール3.14mmol/L3.44mmol/Lp<0.05
    非HDLコレステロール3.834.26p<0.05
    総/HDL比4.604.89p<0.05
    LDL/HDL比2.913.09p<0.05
    中性脂肪変化なし

    mg/dLに直すと総コレステロールの差は約20mg/dL、LDLは約12mg/dL。小さくありません。

    2023年、《Journal of Nutritional Science》。

    • 腹部肥満の成人35人、無作為クロスオーバー、各8週、間に2週の休止
    • 自由生活環境。 普段の食事にマカダミアを1日の熱量の約15%追加
    • 生体電気インピーダンスで体組成、24時間思い出し法で食事調査
    指標結果
    体重、BMI、ウエスト、体脂肪率有意な変化なし
    血糖指標有意な変化なし
    総コレステロール−2.1%(−4.3mg/dL、95% CI −14.8〜6.1)——有意でない
    LDLコレステロール−4%(−4.7mg/dL、95% CI −14.3〜4.8)——有意でない
    総脂質・一価不飽和の摂取増加
    飽和脂肪酸の摂取変化なし

    二つの信頼区間がどちらも0をまたぎます。 この試験でマカダミアは脂質を動かせませんでした。

    ではなぜ別の答えが出たのか。

    第一に、何と比べたかが違います。 2008年の試験はマカダミア食を飽和脂肪酸13%の食事と比べました。 飽和を13%から7%に下げた結果を見ているのです。2023年の試験は普段の食事にマカダミアを載せただけで、飽和脂肪酸の摂取はそのままでした。

    第二に、著者自身がそう書いています。 2008年の論文の結論文はこうです。

    ナッツを飽和脂肪酸の高い食品の等熱量の代替として使えば不飽和脂肪酸の割合が上がり飽和が下がり、それによって心血管疾患リスクが下がる。

    マカダミアが特別だという文ではありません。 飽和脂肪酸を押し出したという文です。

    第三に、2023年の試験にも但し書きがあります。 コレステロール低下は肥満より過体重の人、体脂肪率が中央値より低い人で大きかった。ただしこれは事後解析で、全体の結果は有意ではありません。

    正直な結論です。

    • マカダミアで脂っこい間食や飽和脂肪酸の高い食品を置き換えれば脂質が良くなりうる
    • 普段のものにただ足すだけなら、2023年の試験が示した通り脂質は動かない可能性が高い
    • 両試験とも25人と35人。 小さい
    • 等級を「初期の研究」に置きます
    [1][2]
  2. 栄養データ

    脂質75.8gでナッツ最多、ところがビタミンEはアーモンドの50分の1です

    生マカダミア100gあたり:

    • 熱量718kcal——よくあるナッツの中で最も高い
    • 脂質75.8g——飽和12.1g、一価不飽和58.9g、多価不飽和1.5g
    • 食物繊維8.6g、炭水化物13.8g、糖類4.57g
    • タンパク質7.91g
    • ビタミンB1(チアミン)1.2mg、マンガン4.13mg
    • マグネシウム130mg、銅0.756mg、カリウム368mg、鉄3.69mg
    • ビタミンE 0.54mg、ナトリウム5mg、コレステロール0

    ひとつかみ(30g、12粒ほど)に換算すると:

    100gひとつかみ(30g)
    熱量718kcal215kcal
    脂質75.8g22.7g
    一価不飽和58.9g17.7g
    食物繊維8.6g2.6g
    ビタミンB11.2mg0.36mg

    一価不飽和脂肪酸58.9gがこのナッツの正体です。 脂質の約78%が一価不飽和。オリーブオイルの主成分と同じ系統で、よくあるナッツの中でこの比率が最も高い。

    ビタミンB1が1.2mgです。 成人の推奨量が男性1.2mg、女性1.1mg前後なので、100gなら1日分を超えます。 ひとつかみでも0.36mg、1日分の30%ほど。ナッツの中で目を引く数字です。

    マンガン4.13mgも高い。 成人の目安量が男性4.0mg、女性3.5mg程度なので100gならそれを超えます。

    ところがビタミンEは0.54mgです。 ここで釣り合いを取る必要があります。アーモンドは100gに約25mg。 マカダミアはビタミンEの供給源ではありません。 「ナッツはビタミンEが多い」という一般化はこのナッツには当てはまりません。

    熱量718kcalもそのまま受け止めるべきです。 よくあるナッツの中で最も高い。

    ナッツ熱量脂質
    マカダミア718kcal75.8g
    くるみ654kcal65.2g
    松の実673kcal68.4g
    アーモンド579kcal49.9g

    ひとつかみ215kcal、ごはん1杯の3分の2ほどです。数えて召し上がってください。

    殻が硬い。 マカダミアの殻はナッツの中でも最も硬い部類で、手では割れません。市販品はほぼすべて剥いたものです。

    密閉して冷蔵保存してください。脂質が多く酸敗が早い。湿っぽい、苦いと感じたら捨ててください。

  3. 確認されていない

    「太る」という心配と、犬には本当に危険だという事実

    二つを分けて書きます。一つは根拠が否定した心配、もう一つは根拠が確認した危険です。

    まず体重です。 100gに718kcalですから、太りそうだという心配は自然です。

    2023年の試験がまさにそれを見ました。 腹部肥満のある成人35人が、普段の食事にマカダミアを1日の熱量の15%分足して8週を過ごしました。減らすものなしで、足すだけです。

    体重、BMI、ウエスト、体脂肪率いずれも有意な変化がなかった。

    論文の要約文はこうです——「自由生活環境で毎日マカダミアを食べても、過体重・肥満の成人に体重や体脂肪の増加をもたらさない」。

    誇張はしないでおきましょう。 35人、8週です。そして、この結果が「熱量が計算されない」という意味ではありません。 ナッツは満腹感が大きく噛むのに時間がかかり、脂質の一部が細胞壁に閉じ込められたまま排出される、というのが一般的な説明です。ただしひとつかみを数えずに袋ごと食べるのは別の話です。

    次に確認された危険です——犬に与えないでください。

    マカダミアは犬に対して毒性があることが確立しています。 食べてからおおむね12時間以内に後肢の脱力、歩行異常、嘔吐、震え、発熱が現れます。原因物質はまだ特定されていません。 多くは数日で回復しますが、症状が出たら獣医に連れて行く必要があります。

    これは人の話とは別です。 人に同様の反応が報告されたことはありません。ただしマカダミアを家に置く人には実際に重要な情報であり、日本語や韓国語の紹介記事ではよく抜け落ちます。チョコレートを犬に与えないのと同じ扱いにしてください。

    ナッツアレルギーがあるならマカダミアもリストに入ります。ほかのナッツに反応したことがあるなら、初めて食べるときは注意してください。

上手な食べ方

  • ひとつかみは30g、12粒ほど、215kcalです。袋のまま置かず取り分けて召し上がってください。
  • 足すより置き換えです。 菓子や脂っこい間食の代わりにしてこそ脂質に意味があります。
  • ビタミンEを期待しないでください。 100gに0.54mg、アーモンドの50分の1ほどです。
  • 密閉して冷蔵保存してください。脂質が多く酸敗が早い。
  • 苦みや湿っぽさを感じたら酸敗しています。捨ててください。
  • 塩味のついた製品はナトリウムを確認してください。生は100gに5mgです。
  • 乾いたフライパンで軽くいると香りが立ちます。脂質が多くすぐ焦げるので弱火で短く。
  • 犬には絶対に与えないでください。 犬には毒性があります。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • 犬に毒性があります。 後肢の脱力、歩行異常、嘔吐、震え、発熱が報告されています。犬がいる家では手の届く所に置かないでください。
  • 脂質が良くなった試験は飽和脂肪酸を7%に下げた管理給食でした。普段の食事に足しただけの試験では有意な変化がありませんでした。
  • 二つの試験は25人と35人です。
  • 100gに718kcalとよくあるナッツの中で最も高い。ひとつかみでも215kcalです。
  • ビタミンEは低い。 ナッツ一般のイメージとは違います。
  • ナッツアレルギーがあるならマカダミアも該当します。
  • 脂質が多く酸敗が早い。 苦みが出たら召し上がらないでください。

栄養成分

生マカダミアナッツ100gあたりです。ひとつかみが30g、粒で12粒ほどなので、下の数字は3つかみを超えます。

エネルギー
718 kcal36%
脂質
75.8 g97%
食物繊維
8.6 g31%
炭水化物
13.8 g5%
糖質
4.57 g
ビタミンB1
1.2 mg100%
マンガン
4.13 mg180%
銅
0.756 mg84%
カリウム
368 mg8%
鉄
3.69 mg21%
ビタミンE
0.54 mg4%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

ほかの食材と一緒に計算してみる →

主な栄養素

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1A macadamia nut-rich diet reduces total and LDL-cholesterol in mildly hypercholesterolemic men and women臨床試験Griel AE, et al. The Journal of Nutrition 2008PMID 18356332
  2. 2Macadamia nut effects on cardiometabolic risk factors: a randomised trial臨床試験Jones JL, et al. Journal of Nutritional Science 2023PMID 37180485
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4PubMed学術文献
  5. 5NIH Office of Dietary Supplements保健機関

あわせて読みたい食材

ピーカンナッツ

ナッツ・種実

中程度の根拠

ピーカンナッツ

2021年の試験は珍しく二つを同時に見ました。ピーカンを足しただけの群と、ほかの食べ物を抜いて入れた群。どちらも総コレステロール・LDL・中性脂肪・アポリポ蛋白Bが下がり、対照群は動きませんでした。ただし1日68g、群ごとに16〜18人です。

玄米

穀物・豆

中程度の根拠

玄米

全粒穀物をよく食べる人で2型糖尿病が少ないという観察は一貫しています。ただしランダム化試験では血糖の指標がほとんど動きませんでした。

松の実

ナッツ・種実

初期の研究

松の実

松の実が食欲を抑えるという話の根拠は2008年の試験一つです。ところがその試験が与えたのは松の実ではなく、そこから取り出した脂肪酸3gを入れたカプセルであり、実際にどれだけ食べたかは測っていません。

ご意見を送る