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うずら卵

うずら卵の効能:100gで見ると密で、1個で見ると小さい

100gあたりコレステロール844mgは鶏卵の2倍です。ところが1個は9gなので1個あたり76mg——鶏卵1個(約206mg)より少ない。単位を変えると結論が変わります。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月18日更新 2026年10月12日7分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

うずら卵
目次

どんな食材か

うずらの卵はうずらが産んだ卵です。鶏卵よりずっと小さく、ふつう一個が10g ほどで、殻に茶色のまだら模様があります。構造は鶏卵と同じですが、全体に占める黄身の割合が高いため、同じ重さで見ると黄身に集まる脂質や脂溶性ビタミン、コリンの比重が大きくなります。殻は薄い一方で内側の膜が丈夫なので、ゆでたあとむくのが手間です。しょうゆ煮や串のように、まるごと使う料理に向きます。

うずら卵について「鶏卵より栄養が密だ」と言われます。これは100g基準のときだけ正しい。

100gで見ると、うずら卵は鶏卵より鉄が2倍以上(3.65対1.67mg)、リボフラビンがほぼ2倍(0.79対0.419mg)、コレステロールも2倍(844対411mg)です。

1個で見ると話が逆転します。 うずら卵1個の可食部は約9g、鶏卵は約50g。重さが5倍以上違うので、1個あたりに換算すると鉄もコリンもリボフラビンもタンパク質も鶏卵のほうが多い。

よく言われる「うずら卵12個が鶏卵1個」は重さで合いません。12個は約108gで、コレステロールでは912mg——鶏卵1個(約206mg)の4.4倍です。

臨床根拠はどうか。 うずら卵そのものを見た試験は、季節性アレルギー性鼻炎での40人規模の無作為化試験が1つ。使ったのは卵ではなくうずら卵・亜鉛の錠剤で、比較群はステロイド単独でした。一方、卵の摂取を増やした無作為化試験17編をまとめたメタ分析では、LDLが8.14mg/dL上がりました。

主な効果

  1. 中程度の根拠

    卵の摂取を増やすとLDLが8.14mg/dL上がった——無作為化試験17編

    2020年《Nutrients》。健康な人を対象とした無作為化対照試験17編をまとめたメタ分析です。併用療法のある研究を除外し、ランダム効果モデルで統合しました。

    結果です。

    • LDLコレステロールが高かった——平均差 +8.14mg/dL(p < 0.0001、I² = 18%)。
    • LDL/HDL比も高かった——平均差 +0.14(p = 0.001、I² = 25%)。
    • 期間が長いほど大きかった——2か月を超えた研究の効果量が2か月以内より大きい。
    • 異質性がI² 18%と25%で低い。 研究間の結果が比較的一致していたという意味です。
    • 著者は財務的・非財務的な利益相反がないと宣言しています。

    これは鶏卵で行われた研究です。 うずら卵で再現した無作為化試験はありません。ただしうずら卵のコレステロールは鶏卵の100gあたり2倍なので、この結果を無視する理由もありません。

    では実際にどれだけ食べるか計算してみてください。

    • うずら卵1個(可食部9g):コレステロール約76mg
    • 鶏卵1個(可食部50g):コレステロール約206mg
    • うずら卵5個でも鶏卵2個より少ない
    • うずら卵11個(100g):約844mg

    1個ずつ食べるなら鶏卵より少なく入ります。 問題は、うずら卵がふつう1個ずつ食べる食べ物ではないことです。煮物や串で一度に10個食べればコレステロール760mg——鶏卵4個に近い。

    正直な要約です——危ないのは卵の種類ではなく食べる個数が決めます。著者も「長期追跡の無作為化試験が必要だ」と結論を閉じています。

    [1]
  2. 初期の研究

    アレルギー性鼻炎の試験が1つ:40人、ステロイドに足した錠剤の形でした

    2023年《The Journal of Laryngology & Otology》。季節性アレルギー性鼻炎の患者を対象とした無作為化対照試験で、CONSORT報告基準に準拠して行われました。

    設計です。

    • 40人を無作為割付
    • 対照群——モメタゾン点鼻スプレー4週
    • 試験群——同じ局所ステロイド+市販のうずら卵・亜鉛経口錠

    結果です。

    • 試験群で鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻症状合計スコアの減少が大きかった。
    • 鼻炎がよく制御された参加者の割合が高く、レスキュー薬が不要でした。

    著者の結論は慎重です——より大きな研究が必要だが、うずら卵は予備的に局所ステロイド療法の有効な補助手段に見える。

    併せて見るべきことが4つあります。

    第一に、40人です。 この規模の結果は方向を示すにとどまります。

    第二に、与えたのは卵ではありません。 市販のうずら卵・亜鉛錠です。ゆでたうずら卵をおかずで食べることと同じではありません。

    第三に、亜鉛が混ざっています。 亜鉛単独でも鼻症状に作用しうるのに、この設計ではうずら卵の分と亜鉛の分を切り分けられません。

    第四に、プラセボ群がありません。 比較群はステロイド単独で、試験群はステロイドに錠剤を足しました。参加者が自分の割付を知りえた可能性が高く、鼻症状スコアは自己申告の指標です。

    だからこのサイトはこの根拠を「初期」と格付けします。 2014年《Food Science & Nutrition》にも鼻粘膜刺激試験でうずら卵配合物を見た研究がありますが、特定商標の独自配合(proprietary blend)を使った研究です。

    結論です——おかずで食べるうずら卵が鼻炎を良くするという根拠はまだありません。

    [2]
  3. 栄養データ

    成分表:100gでは密で、1個では小さい

    生のうずら卵100g(約11個)あたり:

    • 熱量158kcal、タンパク質13.0g、脂質11.1g
    • コレステロール844mg
    • コリン263mg
    • 鉄3.65mg、リボフラビン0.79mg
    • 葉酸66µg、ビタミンA 156µg、ビタミンB12 1.58µg

    鶏卵と100g同士で並べるとこうなります。

    うずら卵鶏卵
    鉄3.65mg1.67mg
    リボフラビン0.79mg0.419mg
    コリン263mg335mg
    コレステロール844mg411mg

    鉄とリボフラビンは2倍ほど多く、コリンはむしろ少なく、コレステロールは2倍です。

    1個に換算すると全部逆転します。

    うずら卵1個(9g)鶏卵1個(50g)
    タンパク質1.17g約6.3g
    鉄0.33mg0.84mg
    リボフラビン0.071mg0.21mg
    コリン23.7mg168mg
    コレステロール76mg206mg

    1個あたりでは鶏卵がすべての項目で多い——良いものも、コレステロールもです。

    「うずら卵のほうが栄養価が高い」は単位がつくった錯覚です。 100gという基準を使うと小さい卵が有利になります。殻に対する黄身の比率が高く、黄身に集まる栄養素の濃度が上がるからです。

    黄身の比率が高いことがコレステロールの理由でもあります。 コレステロールはすべて黄身にあります。同じ理由でコリンとビタミンAも濃度が高い。

上手な食べ方

  • 1個ずつ数えて食べるのが、この食品を扱う最も正直な方法です。 1個76mg、10個で760mg。
  • ゆで時間は3〜4分。鶏卵の半分です。それ以上ゆでると黄身がパサつきます。
  • 殻が薄く割れやすい。 ゆでた後に冷水に取り、転がしてひびを入れてから剥くと楽です。
  • 酢を少し入れた水に浸けておくと殻膜が弱くなり剥きやすくなります。
  • 煮物はナトリウムが上がります。 醤油を水で薄め、煮汁を飲み切らないほうがよい。
  • 弁当のおかずやサラダのトッピングには大きさが合います。 切らずにそのまま入ります。
  • アレルギー性鼻炎のために食べるのは勧めません——上の試験が使ったのは卵ではなく錠剤です。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • コレステロールが100gあたり844mg、鶏卵の2倍です。1個では76mgですが、一度に10個食べる食べ物だという点も併せて見てください。
  • 卵の摂取を増やした無作為化試験17編でLDLが8.14mg/dL上がりました。 2か月を超えた研究で効果がより大きかった。
  • 家族性高コレステロール血症や心血管疾患があるなら、1日の個数を医療者と決めてください。
  • 鶏卵アレルギーがあるならうずら卵も避けてください。 オボアルブミンとオボムコイドは鳥類の卵の間で交差反応が一般的です。
  • 小さな子どもには窒息の危険があります。 1個がそのまま気道をふさぐ大きさです。半分に切ってください。
  • 生食や半熟はサルモネラのリスクがあります。 うずら卵も鶏卵と同じです。
  • 上の鼻炎試験にはプラセボ群がなく、亜鉛が一緒に入っているため、うずら卵の分を切り分けられません。

栄養成分

生のうずら卵100gあたり。うずら卵1個の可食部は約9gなので、100gは11個分に相当します。1個あたりの数値は本文に別記しました。

エネルギー
158 kcal8%
脂質
11.1 g14%
コリン
263 mg48%
鉄
3.65 mg20%
ビタミンB2
0.79 mg61%
葉酸
66 µg17%
ビタミンA
156 µg17%
ビタミンB12
1.58 µg66%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

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主な栄養素

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この食材でつくる料理

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出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Association between egg consumption and cholesterol concentration: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trialsメタ分析Li MY, Chen JH, Chen C, Kang YN Nutrients 2020PMID 32635569
  2. 2Quail egg homogenate with zinc as adjunctive therapy in seasonal allergic rhinitis: a randomised, controlled trial臨床試験Andaloro C, Saibene AM, La Mantia I The Journal of Laryngology & Otology 2023PMID 35582999
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4NIH Office of Dietary Supplements保健機関
  5. 5PubMed学術文献

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