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納豆

納豆の効能:骨の試験が3年と1年で分かれる

MK-7を3年摂った244人は腰椎と大腿骨頸部の骨密度低下が抑えられましたが、股関節全体では違いました。納豆カプセルを1年摂った334人は、どの部位でも差がありませんでした。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月19日更新 2026年10月12日8分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

納豆
目次

どんな食材か

納豆はゆでた大豆を納豆菌で発酵させた日本の食品です。韓国のチョングクチャンと同じ菌を使い、作る原理も同じですが、使い方が違います。納豆はそのまましょうゆとからしを入れて混ぜ、ごはんにのせて食べ、チョングクチャンは鍋にして煮ます。混ぜるほど糸が長く伸びますが、その糸はポリグルタミン酸という物質です。発酵の過程で生まれるナットウキナーゼという酵素が、この食品の研究でよく取り上げられます。においと粘りのために好みがはっきり分かれます。

納豆の根拠は同じ学術誌に載った2つの試験を並べてこそ正確に読めます。どちらも《Osteoporosis International》で、結論が逆です。

2013年——健康な閉経後女性244人がMK-7 180µgを3年摂りました。腰椎と大腿骨頸部で加齢による骨密度低下が有意に抑えられました。ただし股関節全体ではそうではありません。

2010年——ノルウェーの閉経初期の女性334人が納豆カプセル形態のMK-7 360µgを1年摂りました。股関節全体を含め、どの測定部位でも骨量減少率に差がありませんでした。

よくある思い込みを1つ正します。 失敗したほうが低用量だったのではありません——360µgで失敗し、180µgで成功しました。 違ったのは期間(1年対3年)と対象(閉経1〜5年対閉経後)です。

2つの試験が一致したことが1つあります。 どちらもビタミンKの状態指標は確実に動きました——低カルボキシル化オステオカルシンが下がりました(2010年の試験でp < 0.001)。つまりMK-7は吸収され作用していた。それが1年で骨密度につながらなかっただけです。

指標が動くことと、骨が変わることは別の出来事です。

主な効果

  1. 初期の研究

    MK-7を3年:腰椎と大腿骨頸部は改善、股関節全体は改善せず/1年:すべて変化なし

    2つを一緒に読む必要があります。

    肯定側——2013年《Osteoporosis International》

    健康な閉経後女性244人にプラセボまたはMK-7 180µgを1日1回、3年摂らせました。DXAで腰椎・股関節全体・大腿骨頸部の骨密度を測り、大腿骨頸部の骨強度指標を算出し、椎体骨折はDXAで評価しました。

    • ビタミンKの状態が有意に改善しました。
    • 腰椎と大腿骨頸部で加齢による骨塩量・骨密度の低下が有意に抑えられました。
    • 股関節全体ではそうではありません。
    • 骨強度指標も有利に動き、下部胸椎の椎体中央部の高さの喪失が有意に減りました。

    著者の結論も慎重です——MK-7サプリは閉経後女性の骨量減少の予防に役立つ可能性がある、そしてこの結果を他集団に広げられるかは別問題である。

    否定側——2010年《Osteoporosis International》

    50〜60歳、閉経後1〜5年の健康なノルウェー女性334人を無作為・二重盲検・プラセボ対照で割り付け、納豆カプセル形態のMK-7 360µgまたはオリーブオイル入りの同一外観プラセボを1年摂らせました。

    • 股関節全体をはじめ、どの測定部位でも骨量減少率に統計的差がありませんでした。
    • ところがカルボキシル化オステオカルシンは増え、低カルボキシル化オステオカルシンは減りました(p < 0.001)。

    著者の結論——納豆として摂ったMK-7は1年で低カルボキシル化オステオカルシンを下げたが、閉経初期女性の骨量減少率には影響しなかった。

    正直に整理すると:

    2013年2010年
    人数244人334人
    用量MK-7 180µgMK-7 360µg(納豆カプセル)
    期間3年1年
    対象閉経後閉経1〜5年
    ビタミンK指標改善改善
    骨密度腰椎・大腿骨頸部は改善、股関節全体は改善せず全部位で変化なし

    用量が多いほうが失敗した——この対比が要点です。残る説明は期間と対象です。どちらもこの問題を決着させておらず、このサイトが「初期」と格付けする理由です。

    [1][2]
  2. 初期の研究

    ナットウキナーゼのカプセル8週:収縮期−5.55mmHg、ただし信頼区間が0に近い

    2008年《Hypertension Research》。ソウルの延世大学校とミズメディ病院による無作為・二重盲検・プラセボ対照試験です。

    設計です。

    • 未治療の収縮期血圧130〜159mmHgの前高血圧または1期高血圧の成人86人(20〜80歳)
    • ナットウキナーゼ2,000 FUカプセルまたはプラセボを8週
    • 73人がプロトコルを完了——13人が抜けました

    結果です。

    • 収縮期血圧の正味変化−5.55mmHg(95%CI −10.5〜−0.57)、p < 0.05
    • 拡張期血圧の正味変化−2.84mmHg(95%CI −5.33〜−0.33)、p < 0.05
    • レニン活性−1.17 ng/mL/h、p < 0.05

    信頼区間を見てください。 収縮期の上限が −0.57 です。有意ではありますが0にほぼ貼り付いています。真の効果が−0.57mmHg付近である可能性がこのデータに含まれるという意味で、それなら臨床的に意味がありません。

    併せて見るべきことが4つあります。

    第一に、与えたのは納豆ではありません。 ナットウキナーゼ2,000 FUのカプセルです。納豆を食べて同量の活性ナットウキナーゼを得られるという根拠はここにありません。

    第二に、86人中13人が抜けました——15%です。

    第三に、8週です。 降圧薬の効果を判断する期間より短く、心血管イベントのような実際の結果は見ていません。

    第四に、単一試験です。 これを再現した大きなメタ分析はまだありません。

    ナットウキナーゼは線溶作用が報告される酵素です。 だから抗凝固薬を飲む人には注意項目になり、下の注意事項に記しました。

    [3]
  3. 栄養データ

    成分表:鉄8.6mg、そしてビタミンKの数値の読み方

    納豆100g(市販2パックほど)あたり:

    • 熱量211kcal、タンパク質19.4g、脂質11.0g、炭水化物12.7g
    • 食物繊維5.4g
    • 鉄8.6mg——成人男性の推奨量(8mg)を超えます
    • カルシウム217mg、マグネシウム115mg、カリウム729mg
    • マンガン1.53mg、亜鉛3.03mg、銅0.667mg
    • ナトリウム7mg——とても低い。添付のたれがナトリウムのほとんどです
    • ビタミンK(フィロキノン)23.1µg

    鉄8.6mgが目を引きます。 ただし植物性の鉄は非ヘム鉄で吸収率が低い。ビタミンCのあるおかずと一緒に食べると吸収が上がります。

    ビタミンKの数値は正確に読む必要があります。 上の23.1µgはフィロキノン(K1)です。納豆が有名な理由であるメナキノン-7(MK-7)はUSDAの記録にありません。 だからこのサイトは納豆のMK-7含量を数字で書きません——書ける出典がないからです。上の試験の用量(180µg、360µg)もサプリメント基準だと重ねて記しておきます。

    納豆が発酵食品であることは成分表には表れにくい。Bacillus subtilisが大豆を発酵させ、粘る糸(ポリグルタミン酸)とナットウキナーゼをつくります。その過程で大豆のフィチン酸が一部分解されてミネラル吸収に有利になるという説明がありますが、ヒトの無作為化試験で確認されたものではありません。

    大豆と比べるとタンパク質は同程度、食物繊維は低い。ゆで大豆と納豆の大きな違いは成分表ではなく発酵産物の側にあります。

上手な食べ方

  • 冷蔵庫から出して5〜10分置いてから混ぜてください。冷たいと糸が出にくい。
  • たれを入れる前にまず混ぜます。 20〜30回混ぜて糸を十分出してからたれを入れると味がまろやかです。
  • 熱いご飯に直接のせないでください。 ナットウキナーゼは熱に弱い。ご飯を少し冷ましてからのせるほうがよい。
  • 添付のたれがナトリウムのほぼ全部です。 納豆自体は100gに7mgだけ。たれを半分にすると大きく減ります。
  • 匂いがつらければ、のり、ねぎ、からし、ごま油と一緒にどうぞ。
  • 1日1パック(40〜50g)が日本での一般的な量です。
  • 骨や血圧のために食べるなら、上の試験が使ったのは納豆ではなくサプリだと覚えておいてください。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • ワルファリンを服用中なら納豆を避けてください。 これがこのページで最も重要な注意です。納豆のビタミンKはワルファリンの作用を直接妨げ、納豆菌が腸でビタミンKをつくり続けるため影響が数日続きます。他のビタミンK食品より問題が大きい。必ず医療者に相談してください。
  • 抗凝固薬・抗血小板薬を服用中、または手術を控えているなら、ナットウキナーゼの線溶作用のためサプリ形態は避け、医療者に伝えてください。
  • 上の骨密度の結果は割れています。 3年試験は一部部位で改善、1年試験は全部位で変化なしでした。
  • 血圧試験は86人中73人が完了した8週の単一試験で、収縮期の信頼区間上限が−0.57と0に近い。
  • 大豆アレルギーがあるなら納豆も避けてください。
  • 痛風があるなら、大豆発酵食品はプリン体が中程度です。量を調整してください。
  • 上の試験が使ったのはすべてサプリメントであり、納豆そのものではありません。

栄養成分

納豆100gあたり。市販の1パックが40〜50gなので100gは2パックほどです。USDAの記録には納豆のメナキノン-7(MK-7)の数値がないため、下記の用量は試験で使われたサプリメントの量です。

エネルギー
211 kcal11%
脂質
11.0 g14%
炭水化物
12.7 g5%
食物繊維
5.4 g19%
鉄
8.6 mg48%
カリウム
729 mg16%
マンガン
1.53 mg67%
亜鉛
3.03 mg28%
ビタミンK
23.1 µg19%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

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主な栄養素

この食材でつくる料理

出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1Three-year low-dose menaquinone-7 supplementation helps decrease bone loss in healthy postmenopausal women臨床試験Knapen MH, et al. Osteoporosis International 2013PMID 23525894
  2. 2Vitamin K2 supplementation does not influence bone loss in early menopausal women: a randomised double-blind placebo-controlled trial臨床試験Emaus N, et al. Osteoporosis International 2010PMID 19937427
  3. 3Effects of nattokinase on blood pressure: a randomized, controlled trial臨床試験Kim JY, et al. Hypertension Research 2008PMID 18971533
  4. 4USDA FoodData Central食品成分データベース
  5. 5NIH Office of Dietary Supplements保健機関
  6. 6European Food Safety Authority (EFSA)保健機関
  7. 7PubMed学術文献

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