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キャノーラ油

キャノーラ油の効果:安い油がLDLを最もよく下げた

42件をまとめたメタ分析で、他の食用油よりLDLが0.23mmol/L低下。オリーブ油と比べても総コレステロールがさらに下がりました。

Ingredient Health Benefits 編集部

公開 2026年9月15日更新 2026年10月12日4分で読めます

臨床専門家による個別の監修は受けていません。編集方針

キャノーラ油
目次

どんな食材か

キャノーラ油はなたねの種から搾った油です。もともとなたね油はエルカ酸とグルコシノレートが多く食用には向きませんでしたが、1970年代にカナダでその二つを低くした品種が育成され、食用油になりました。キャノーラという名前自体がその過程で付いたものです。味も香りもほとんどなく発煙点が高いため、素材の味を邪魔しない汎用の調理油として使います。

学名 Brassica napus

キャノーラ油は安くて味がないという理由で低く見られます。脂肪の組成を見ると評価は逆になります。

飽和脂肪が7.4gと一般的な食用油のなかで最も低く、α-リノレン酸(植物性オメガ3)が9.1gと最も高い部類です。オリーブ油の飽和脂肪は13.8g、オメガ3は事実上ありません。

ネットに回る「キャノーラ油は有毒な菜種から搾った油だ」という話は半分だけ本当です。かつての菜種にはエルカ酸とグルコシノレートが多く、1970年代のカナダで その二つを下げた品種が育成された。それがキャノーラ です。名前からして Canada + oil low acid です。

主な効果

  1. 強い根拠

    LDLコレステロールを下げる — オリーブ油よりも

    対照つき臨床試験42件をまとめた2020年のメタ分析です。キャノーラ油は他の食用油と比べ 総コレステロールを0.27mmol/L(37件)、LDLを0.23mmol/L(35件) 下げました。LDL/HDL比(0.21低下、10件)、総/HDL比(0.13低下、15件)、アポリポ蛋白B(0.03g/L低下、14件)もすべて下がっています。

    オリーブ油と直接比べたときも、総コレステロールはキャノーラ油のほうが下がりました。

    理由は単純です。血中脂質はおおむね飽和脂肪の量に従います。キャノーラ油の飽和脂肪7.4gはオリーブ油13.8gの半分、ココナッツオイル82.5gの11分の1です。

    ただしこれは 中間指標(コレステロール) であって、事故(心筋梗塞・死亡)ではありません。キャノーラ油で心血管事故を見た大規模ランダム化試験はありません。

    [1]
  2. 中程度の根拠

    植物性オメガ3(ALA)が9.1g — ただし変換は非効率

    キャノーラ油100gに α-リノレン酸が9.14g。大さじ1杯(14g)で1.3gとなり、成人のALA目安量(男性1.6g、女性1.1g)に近い量です。

    ALAと死亡率を見た41件の前向き研究のメタ分析では、ALA摂取が多い側で総死亡(相対リスク0.90)と心血管死(0.92)が低い結果でした。

    重要な但し書きがあります。 ALAは魚のEPA・DHAとは別物です。体内でEPAに変わる割合は5〜8%、DHAには1%未満。キャノーラ油で魚の代わりにはなりません。

    ビタミンEも17.5mgでオリーブ油(14.4mg)より高い。

    [2]
  3. 確認されていない

    「キャノーラ油は体に悪い」という主張は確認されていない

    出回る話はおおむね三つです。

    ①エルカ酸が心臓に悪い。 昔の菜種油はそうでした。だから品種を変えたのです。現在の食用キャノーラ油のエルカ酸は総脂肪酸の2%以下に規制されています。

    ②精製過程でトランス脂肪ができる。 脱臭工程で微量できるのは事実です。通常は総脂肪の1〜2%で、部分硬化油(30〜50%)と比べる量ではありません。

    ③遺伝子組換えだから危険。 北米産キャノーラの多くがGM品種なのは事実です。ただし油は精製でたんぱく質とDNAがほぼ除かれるため、油そのものに残る遺伝物質は検出限界以下です。GM作物の安全性の議論と、精製油の組成は別の問題です。

    三つとも「人での害が確認された」という根拠ではありません。ただし 確認されていないことは、安全が証明されたという意味でもありません。 ここで確かなのは脂質の数値までです。

上手な食べ方

  • 発煙点が約200〜230℃と高い。 炒め・焼き・揚げのどこでも無理がありません。味が弱いことがむしろ利点になる場所です。
  • 香りの油と役割を分けて。 加熱はキャノーラ油、仕上げの香りはごま油やエクストラバージンオリーブ油。
  • ALAは熱に弱い。 オメガ3を狙うならドレッシングのように生で使うほうがよい。
  • 密閉して暗い場所へ。 多価不飽和が28gと多く、オリーブ油より酸化が早い。
  • 揚げ油を何度も使い回さないこと。繰り返しの加熱はどの油でも酸化物を作ります。

評価の読み方

効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。

栄養データ
食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
強い根拠
複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
中程度の根拠
ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
初期の研究
細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
確認されていない
よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。

確認されていない主張

注意したいこと

  • 大さじ1杯で124kcalです。 脂質の数値がよくなるからといって量を増やす理由はありません。上の試験は他の油を 置き換えた ときの結果です。
  • 上の根拠はコレステロールの数値 であって、心筋梗塞や死亡ではありません。大規模なランダム化アウトカム試験はありません。
  • ALAはEPA・DHAの代わりになりません。 変換率が低い。
  • 菜種アレルギーはまれですが存在します。
  • 多価不飽和が多く 保存中に酸敗 します。においが変わったら捨ててください。

栄養成分

100g(大さじ約7杯)あたりです。大さじ1杯は14gで124kcalです。

エネルギー
884 kcal44%
脂質
100 g128%
ビタミンE
17.5 mg117%
ビタミンK
71.3 µg59%

%は米国FDAの1日基準値(成人・4歳以上)に対する割合です。各国の食事摂取基準は性別・年齢で異なります。

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主な栄養素

お悩み別の根拠

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出典

栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。

  1. 1The effects of Canola oil on cardiovascular risk factors: A systematic review and meta-analysis with dose-response analysis of controlled clinical trialsメタ分析Amiri M, et al. Nutr Metab Cardiovasc Dis 2020PMID 33127255
  2. 2Dietary intake and biomarkers of alpha linolenic acid and risk of all cause, cardiovascular, and cancer mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of cohort studiesメタ分析Naghshi S, et al. BMJ 2021PMID 34645650
  3. 3USDA FoodData Central食品成分データベース
  4. 4NIH Office of Dietary Supplements保健機関
  5. 5European Food Safety Authority (EFSA)保健機関
  6. 6PubMed学術文献

あわせて読みたい食材

オリーブ油

油脂

強い根拠

オリーブ油

7,447人のランダム化試験で心血管イベントが31%低い結果でした。ただし他の植物油と比べると差はありませんでした。

ごま油

油脂

栄養データ

ごま油

飽和脂肪は14.2gで植物油のなかでは中位、ビタミンEは1.4mgとオリーブ油の10分の1。ごま油は栄養ではなく香りのために使います。

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