多くの野菜は加熱で栄養が減りますが、トマトは逆です。リコピン は細胞壁の中に固く閉じ込められていて、生のままでは吸収される量が少ないのです。
加熱はその細胞壁を壊し、リコピンを吸収されやすい形に変えます。トマトソースやトマトペーストが生トマトよりリコピン吸収で有利な理由です。
主な効果
リコピンの強い抗酸化作用
赤色をつくるこのカロテノイドは、活性酸素の消去能力がβカロテンより高いと測定されています。血中リコピン濃度が高い人で心血管疾患リスクが低かったという観察研究が繰り返し報告されています。
前立腺の健康との関連が最も研究されている
トマト製品の摂取が多い集団で前立腺がんの発生率が低かったというコホート研究が複数あります。因果関係と断定するには早いものの、最も一貫して繰り返された観察です。
カリウムがナトリウムの排出を助ける
100gに237mg。18kcalと非常に低いので量を増やしても負担がなく、塩分の多い食事でのカリウム補給に向きます。
肌の紫外線耐性に寄与する可能性
トマトペーストを10週間以上とったグループで、紫外線による赤みが減ったという小規模研究があります。日焼け止めの代わりにはなりません。
上手な食べ方
- 油で炒める。 リコピンは脂溶性で熱にも強い成分です。オリーブオイルで炒めると吸収率が大きく上がります。
- 加工品も良い選択です。 トマトペーストや缶詰トマトは生より濃度が高くなります。
- 皮ごと使う。 リコピンは皮の近くに集まっています。
- 冷蔵は味を落とします。 低温で香り成分が損なわれるので常温に置き、加熱して食べましょう。
- 完熟なほどリコピンが多く、赤いほど有利です。
注意したいこと
- 逆流性食道炎 があると酸が症状を悪化させることがあります。
- トマトは ナス科 なので、まれに関連するアレルギー反応が出ます。
- 何か月も大量にとり続けると皮膚がオレンジがかるリコペネミアが起こりえます。無害で元に戻ります。
- 市販のトマトジュースやソースは 塩分が高い製品 が多いので表示を確認してください。
栄養成分
可食部100gあたりのおおよその値です。
- エネルギー
- 18 kcal
- 炭水化物
- 3.9 g
- 食物繊維
- 1.2 g
- 糖質
- 2.6 g
- たんぱく質
- 0.9 g
- リコピン
- 2,573 µg
- ビタミンC
- 14 mg
- カリウム
- 237 mg
主な栄養素
- リコピン
- ビタミンC
- カリウム
- ビタミンK
- βカロテン