産後にわかめスープを用意する韓国の習慣には栄養学的な裏づけがあります。わかめは ヨウ素 と カルシウム が豊富で、出産後は甲状腺ホルモンの産生と母乳の分泌のためにヨウ素の必要量が大きく増えるからです。
ただし同じ理由が逆向きの注意も生みます。韓国の平均ヨウ素摂取量はすでに世界的に高く、甲状腺疾患がある場合、海藻のとりすぎは問題になりえます。
主な効果
ヨウ素が甲状腺ホルモンの材料になる
甲状腺ホルモンはヨウ素なしにはつくられません。妊娠・授乳期には必要量が通常の約1.5倍まで増え、胎児の脳の発達に直結します。わかめスープが産後の食べ物になった背景はここにあります。
カルシウムとマグネシウムを同時に供給する
生わかめ100gにカルシウム150mg、マグネシウム107mg。乳製品をあまりとらない食事では、海藻が実質的なカルシウム源になります。
アルギン酸が水溶性食物繊維として働く
わかめのぬめり成分アルギン酸は腸内でゲルを形成し、糖や脂肪の吸収速度を抑えます。一部の研究では食後血糖の上がり方が穏やかになりました。
カロリーが非常に低い
戻したわかめはほとんどが水分なので、かさのわりにエネルギーがほぼありません。汁物や和え物でかさを増やすのに向きます。
上手な食べ方
- 乾燥わかめは10分前後で戻すこと。 長く漬けると柔らかくなりすぎ、水溶性成分が流れ出ます。
- スープにするならごま油で炒めてから 水を注ぐと、脂溶性成分の吸収に有利です。
- 味つけは最後に。 わかめ自体に塩分が残っているので、先に塩を入れると塩辛くなります。
- 毎日より週2〜3回 が無難です。ヨウ素の蓄積を考えた頻度です。
- 酢の物のように酸と合わせると、カルシウムの吸収に有利になります。
注意したいこと
- ヨウ素含有量が非常に高い食材です。 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や橋本病がある方は、頻度を主治医とご相談ください。
- 甲状腺の検査や放射性ヨウ素治療の前 は海藻を制限する必要があります。検査精度に影響します。
- 海藻は ヒ素などの重金属を蓄積 することがあり、産地の確認が勧められます。特にひじきは無機ヒ素が多めです。
- ワルファリン 服用中はわかめのビタミンKを考慮してください。
- 腎疾患でカリウム制限中の方は摂取量をご確認ください。
栄養成分
生わかめ100gあたりのおおよその値です。乾燥わかめは戻すと重量が10倍以上になります。
- エネルギー
- 45 kcal
- 炭水化物
- 9.1 g
- 食物繊維
- 0.5 g
- たんぱく質
- 3.0 g
- ヨウ素
- ~1,600 µg
- カルシウム
- 150 mg
- マグネシウム
- 107 mg
- 葉酸
- 196 µg
主な栄養素
- ヨウ素
- カルシウム
- 食物繊維
- マグネシウム
- 葉酸