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どんな食材か
ざくろはミソハギ科の木の果実です。西アジアが原産で、イランや地中海一帯で古くから育てられてきました。食べる部分は果肉ではなく種を包む果汁の袋で、植物学では仮種皮と呼びます。粒ごとにはじける食感はそのためです。内側は白い膜でいくつもの部屋に分かれており、水の中で割ると粒は沈み膜は浮くので分けやすくなります。果汁は衣服に濃く色が残ります。一部の薬の代謝を妨げるという報告があります。
学名 Punica granatum
ざくろジュースのポリフェノール濃度は、赤ワインや緑茶より高く測定されます。その中心にあるのが プニカラギン という独特のタンニンです。
一方、韓国などでよくある「ざくろ=女性ホルモン」という話は慎重に見る必要があります。ざくろ種子油に植物性エストロゲンが含まれるのは事実ですが、更年期症状を扱ったヒト研究は数が少なく結果も一致していません。
主な効果
- 栄養データ
抗酸化能が非常に高い
プニカラギンとアントシアニンが合わさり、測定上の抗酸化指標が高く出ます。腸内細菌がこれをウロリチンAに変換し、この代謝物自体が近年の研究対象になっています。
- 中程度の根拠
血圧については根拠が比較的しっかりしている
無作為研究8件を集めたメタ分析で、収縮期血圧が4.96mmHg、拡張期が2.01mmHg下がりました。期間や用量にかかわらず収縮期の低下は保たれています。ただし 用量の区分は直感と逆です — 1日240cc未満のほう(11.01mmHg)が240cc以上(3.62mmHg)より低下幅が大きく出ました。多く飲むほど良いと見る根拠にはなりません。[1]
- 中程度の根拠
炎症の指標を下げる
無作為研究16件(572人)を集めたメタ分析で、高感度CRP・IL-6・TNF-αが下がりました。ただし 同じ分析で通常のCRPには有意な変化がなく、血管接着分子(E-セレクチン・ICAM・VCAM)や脂質過酸化の指標(MDA)も動きませんでした。炎症指標の一部だけが反応したということです。[2]
- 栄養データ
果物の中では食物繊維が多い
果粒100gに4g。ただしこの繊維は噛んで飲み込む種にあるため、ジュースだけでは得られません。
上手な食べ方
- 種ごと噛んで食べましょう。 食物繊維の大半は種にあります。
- 水の中で果粒を外す と、果粒は沈み白い薄皮は浮くので作業が楽です。
- ジュースは100%かどうか確認を。 ざくろ「風味」の飲料は砂糖水に近いものです。
- ヨーグルトやサラダに散らせば 調理なしで食べられます。
- 冷凍保存が可能で、解凍後もポリフェノールはよく保たれます。
評価の読み方
効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。
- 栄養データ
- 食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
- 強い根拠
- 複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
- 中程度の根拠
- ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
- 初期の研究
- 細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
- 確認されていない
- よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。
注意したいこと
- ざくろは 一部の薬物代謝酵素(CYP3A4など)を阻害 することがあります。スタチン、一部の降圧薬、免疫抑制薬を服用中の方は大量摂取の前にご相談ください。
- 降圧薬を服用中 なら血圧が下がりすぎないか確認してください。
- ジュースは糖が濃いため、血糖を管理しているなら果粒を選びましょう。
- 更年期症状を狙った高用量のざくろ抽出サプリは根拠が弱いため、慎重に判断してください。
お悩み別の根拠
出典
栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。
- 1Effects of pomegranate juice on blood pressure: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trialsメタ分析Sahebkar A, et al. Pharmacol Res 2017PMID 27888156
- 2The effects of pomegranate supplementation on biomarkers of inflammation and endothelial dysfunction: A meta-analysis and systematic reviewメタ分析Wang P, et al. Complement Ther Med 2020PMID 32147056
- 3USDA FoodData Central食品成分データベース
- 4NIH Office of Dietary Supplements保健機関
- 5PubMed学術文献



