山芋をすりおろすと粘りのあるぬめりが出ます。よく「ムチン」と呼ばれますが、正確にはヒトの胃の粘液とは異なる 植物性の糖たんぱく質と多糖類の混合物 です。
山芋が胃に良いという通念は、このぬめりが胃粘膜を物理的に覆って守るという発想から来ています。動物実験では胃粘膜の損傷が減ったという報告がありますが、ヒトでの臨床的根拠はまだ十分ではありません。
主な効果
粘性多糖類が消化管の粘膜を覆う
ぬめりは水と結びついてゲルを形成します。胃壁を物理的に覆って刺激を減らす方向に働くと考えられ、動物研究では胃の損傷減少が観察されています。ヒトでの根拠は限られています。
消化酵素を含む
山芋にはアミラーゼなどのでんぷん分解酵素が含まれます。これらは熱に弱いため、酵素を得たいなら生ですりおろして食べる必要があります。
レジスタントスターチと食物繊維を供給する
でんぷんの一部は消化されずに大腸へ届き、有用菌のえさになります。加熱後に冷ますとこの割合が増えます。
カリウムが豊富
100gに430mgと根菜の中では高めです。ナトリウムの排出を助け、血圧に有利に働きます。
上手な食べ方
- 生ですりおろせば酵素が生きています。 加熱すると消化酵素は失われ、ぬめりだけが残ります。
- 皮をむくとき酢水で手をぬらす とかゆみを抑えられます。
- 牛乳や豆乳と一緒にミキサーにかける と飲みやすく、たんぱく質も補えます。
- 焼くと甘みが立ち、ぬめりが減って食感がやわらかくなります。
- 変色が早いので、すりおろしたらすぐ食べましょう。
注意したいこと
- 皮とぬめりに シュウ酸カルシウムの結晶 があり、肌に触れるとかゆくなります。手袋か酢水を使ってください。
- 生の山芋は少量から 試しましょう。人によっては口の周りがぴりぴりしたり、胃が不快になることがあります。
- シュウ酸 を含むため、シュウ酸カルシウム結石の既往がある方は量を制限してください。
- 腎疾患でカリウム制限 中の方は摂取量をご確認ください。
- 山芋アレルギーはまれですが実在し、じんましんや口内の刺激として現れます。
栄養成分
可食部100gあたりのおおよその値です。
- エネルギー
- 65 kcal
- 炭水化物
- 13.9 g
- 食物繊維
- 1.0 g
- たんぱく質
- 2.2 g
- カリウム
- 430 mg
- ビタミンC
- 6 mg
- マンガン
- 0.1 mg
主な栄養素
- 食物繊維
- カリウム
- ビタミンC
- マンガン