なつめは生と乾燥で、まったく別の食品として扱うべきです。生なつめのビタミンCは100gあたり69mgで、オレンジ(53mg)より多い のです。
一方、乾燥なつめは水分が抜けて糖が凝縮し、100gあたりの炭水化物が70gを超えます。ビタミンCは乾燥と加熱の過程でほとんど失われます。同じ「なつめ」でも栄養表示はまるで違います。
主な効果
生なつめはビタミンCの密度が高い
100gに69mgと柑橘を上回ります。ビタミンCはコラーゲン合成の補因子であり、植物性の鉄の吸収を大きく高めます。ただしこの利点は生のなつめに限られます。
睡眠と鎮静に関する伝統的用法がある
東アジアの伝統医学では、なつめの種(酸棗仁)が長く鎮静・催眠の目的で使われてきました。サポニンやフラボノイドが中枢に作用するという動物研究がありますが、ヒトでの臨床的根拠は限られています。
カリウムと食物繊維を供給する
乾燥なつめは特にカリウムが凝縮しています。食物繊維も増えて排便に役立ちますが、糖も同じ比率で濃くなる点を併せて見る必要があります。
ポリフェノールが抗酸化に寄与する
フラボノイドや多糖類が抗酸化活性を示すと報告されています。なつめ茶の赤い色はこうした成分と関係しています。
上手な食べ方
- 旬の秋には生のなつめ をりんごのようにかじって食べましょう。ビタミンCをそのまま得られる唯一の方法です。
- 乾燥なつめは間食というより甘味料に近い ものです。1日3〜5粒程度と決めておくとよいでしょう。
- お茶にするときは種を取り、実を割って 入れると成分がよく出ます。
- 参鶏湯やおこわに入れる使い方 は、砂糖の代わりに甘みと香りを添えます。
- 種は硬く歯を傷めることがあるので必ず取り除いてください。
注意したいこと
- 乾燥なつめは糖度が非常に高い です。糖尿病がある方は個数を決めて召し上がってください。
- なつめ茶やなつめペーストの製品は 砂糖が加えられている ことが多いので表示を確認しましょう。
- 伝統医学ではなつめが他の生薬の働きを調整する役割で使われるため、漢方薬を服用中なら 自己判断で量を増やさないでください。
- 食物繊維が多く、一度に多く食べると腹部の張りが出ることがあります。
- 腎疾患でカリウム制限中の方は、乾燥なつめに特に注意が必要です。
栄養成分
可食部100gあたりのおおよその値です。
- エネルギー
- 79 kcal
- 炭水化物
- 20.2 g
- 食物繊維
- 2.4 g
- たんぱく質
- 1.2 g
- ビタミンC
- 69 mg
- カリウム
- 250 mg
- マグネシウム
- 10 mg
主な栄養素
- ビタミンC
- 食物繊維
- カリウム
- マグネシウム