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どんな食材か
しょうがはショウガ科の多年草の地下茎です。根のように見えますが横に伸びる茎で、東南アジアが原産です。辛みはジンゲロールという成分によるもので、乾かすとショウガオールに変わって辛みの質が変わります。だから生のしょうがと乾燥した粉では使い方が違います。繊維の筋がはっきりしているので、筋に沿って切るとかたく、筋を断つように切るとやわらかくなります。皮はスプーンの縁でこそげると身を削りすぎません。
学名 Zingiber officinale
しょうがは香辛料であると同時に、古くからの生薬でもあります。あの独特の辛味をつくる ジンゲロール は、乾燥や加熱によって一部が ショウガオール に変化します。どちらも抗炎症・抗酸化の働きが報告されている成分です。
広告では万能薬のように語られがちですが、ヒトを対象にした研究で一貫して確認されている領域は、実はもっと限られています。以下はその「狭いが確かな」部分です。
主な効果
- 強い根拠
吐き気をやわらげる
しょうがの効果の中で最も根拠が厚い分野です。つわり、乗り物酔い、術後の吐き気、抗がん剤治療に伴う悪心を対象とした複数のランダム化比較試験で、プラセボより良い結果が繰り返し報告されています。多くは1日1g前後が使われました。ただし嘔吐の回数まで減るかははっきりしません。 妊娠中の悪心・嘔吐を扱ったメタ分析では、吐き気は改善しましたが嘔吐回数は統計的に有意な差に至りませんでした。[1]
- 中程度の根拠
胃を空にする働きを助け、消化が楽になる
しょうがは胃内容物の排出時間を短縮することが観察されています。食後の重さや張った感じをやわらげる助けになります。脂っこい料理にしょうがを添える食文化には、それなりの理由があるわけです。[2]
- 中程度の根拠
生理痛をやわらげる
無作為研究12件を集めたメタ分析で、しょうがはプラセボより痛みの強さ(標準化平均差 -1.13)も持続時間も減らしました。NSAIDと直接比べたときは差がありません — 優れているのではなく同程度という意味です。ただし研究間のばらつきは大きめです(I² 81%)。鎮痛薬の代わりにするという意味ではなく、補助として検討できます。[5]
上手な食べ方
- 脂溶性の成分が多い食材です。 油で軽く炒めるか、脂のある料理と一緒にとると吸収に有利です。
- 皮は薄く。 香り成分は皮のすぐ下に集まっているので、スプーンの縁でこそげ取る程度に。
- お茶にするなら薄切りにして10分以上。 煮出すとジンゲロールの一部がショウガオールに変わり、体が温まる感じが強くなります。
- 適量は乾燥換算で1日1〜3g(生なら約5〜10g、親指の先ほど)。多くとっても効果が比例して増えるわけではありません。
- すりおろして小分け冷凍しておくと、汁物・炒め物・ドレッシングにすぐ使えます。
評価の読み方
効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。
- 栄養データ
- 食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
- 強い根拠
- 複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
- 中程度の根拠
- ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
- 初期の研究
- 細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
- 確認されていない
- よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。
注意したいこと
- 1日4gを超えると 胸やけ、胃の不快感、下痢 が起こりやすくなります。
- ワルファリンなどの抗凝固薬・抗血小板薬 を服用中の方は出血リスクが高まる可能性があるため、主治医に相談してください。
- 胆石 がある場合は胆汁の分泌を刺激するため注意が必要です。
- 妊娠中は 1日1g以下 が一般的な目安です。事前に産婦人科にご相談ください。
- 血糖・血圧の薬を服用中の方は数値の変化を確認してください。
この食材でつくる料理
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出典
栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。
- 1A systematic review and meta-analysis of the effect and safety of ginger in the treatment of pregnancy-associated nausea and vomitingメタ分析Viljoen E, et al. Nutr J 2014PMID 24642205
- 2Effect of ginger on gastric motility and symptoms of functional dyspepsia臨床試験Hu ML, et al. World J Gastroenterol 2011PMID 21218090
- 3The effects of ginger supplementation on markers of inflammatory and oxidative stress: A systematic review and meta-analysis of clinical trialsメタ分析Jalali M, et al. Phytother Res 2020PMID 32147845
- 4The Effects of Pre-Exercise Ginger Supplementation on Muscle Damage and Delayed Onset Muscle Soreness臨床試験Matsumura MD, et al. Phytother Res 2015PMID 25787877
- 5Ginger for Pain Management in Primary Dysmenorrhea: A Systematic Review and Meta-Analysisメタ分析Moshfeghinia R, et al. J Integr Complement Med 2024PMID 38770631
- 6USDA FoodData Central食品成分データベース
- 7NIH Office of Dietary Supplements保健機関
- 8Cochrane Library系統的レビュー
- 9PubMed学術文献



