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どんな食材か
ターメリックはショウガ科の多年草の地下茎です。しょうがと同じ科で見た目も似ていますが、中身は鮮やかな橙色です。インドと東南アジアが原産です。その色はクルクミンという色素によるもので、カレーの黄色の大半がここから来ます。クルクミンは水にほとんど溶けずそのままでは吸収率が低いため、油やこしょうと一緒に使う伝統的な調理法が吸収と関係すると説明されることが多いです。色が非常に強く、手や器に色が残ります。
学名 Curcuma longa
ターメリック粉末のうち クルクミン は約2〜5%にすぎません。関節の痛みや炎症指標の改善を報告する研究で使われる量は、たいてい1日500〜1,500mgのクルクミン。粉末に換算すると数十グラムになります。カレー一皿では到底届きません。
さらにクルクミンは水にほとんど溶けず、肝臓で速やかに代謝されます。ターメリックの効果を語るなら、吸収の話を避けて通れないのです。
主な効果
- 中程度の根拠
関節の痛みをやわらげる
変形性膝関節症の患者1,810人、無作為研究16件を集めたメタ分析で、ターメリック抽出物はプラセボより痛み(標準化平均差 -0.82)と身体機能を改善し、NSAIDと比べると効果は同程度で有害事象は12%少なくなりました。 ターメリック研究の中で最も一貫した領域です。ただし研究間のばらつきが大きく(I² 86%)、バイアスリスクも中程度なので、真の効果には不確かさが残ります。[1]
- 中程度の根拠
炎症の指標を下げる
CRPやIL-6といった炎症マーカーが、クルクミン摂取後に低下したという報告が複数あります。メタボリックシンドロームなど慢性的な炎症状態で特にはっきりし、健康な人では変化が小さめでした。[2]
- 中程度の根拠
抗酸化の守りを助ける
クルクミンはフリーラジカルを直接打ち消すだけでなく、体が自前でつくる抗酸化酵素の活性を高める方向に働きます。実際にはこちらの経路のほうが重要だと考えられています。無作為研究66件を集めたメタ分析では、総抗酸化能とSOD活性が上がりMDAが下がりました。ただしこれらは 血液の指標であって、病気の結果ではありません。[2]
上手な食べ方
- 黒こしょうを一緒に。 ピペリンがクルクミンの生体利用率を大きく高めます。小さじ1に対してひとつまみで十分です。
- 油脂と組み合わせて。 クルクミンは脂溶性です。ココナッツオイル、オリーブオイル、ミルクに溶かすゴールデンラテはこの原理を使っています。
- 加熱は短く。 油で軽く香りを立てる程度がよく、長く煮ると損失が出ます。
- 料理用なら 1日小さじ1〜2(3〜6g) が現実的です。それ以上はサプリの領域で、用量と純度の確認が必要になります。
- 生のターメリックはしょうがのようにすりおろして使えます。手やまな板が染まるのでご注意を。
評価の読み方
効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。
- 栄養データ
- 食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
- 強い根拠
- 複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
- 中程度の根拠
- ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
- 初期の研究
- 細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
- 確認されていない
- よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。
注意したいこと
- 胆石や胆管の閉塞 がある場合は、胆汁分泌を刺激するため避けてください。
- 抗凝固薬 との併用で出血リスクが上がる可能性があります。
- 高用量サプリでまれに 肝酵素の上昇 が報告されています。肝疾患がある方は事前にご相談ください。
- クルクミンは 鉄の吸収を妨げる ことがあり、鉄欠乏性貧血がある場合は注意が必要です。
- 妊娠中、料理に使う程度は問題ありませんが、治療用量のサプリは推奨されません。
この食材でつくる料理
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出典
栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。
- 1Efficacy and Safety of Turmeric Extracts for the Treatment of Knee Osteoarthritis: a Systematic Review and Meta-analysis of Randomised Controlled Trialsメタ分析Wang Z, et al. Curr Rheumatol Rep 2021PMID 33511486
- 2Antioxidant and anti-inflammatory effects of curcumin/turmeric supplementation in adults: A GRADE-assessed systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trialsメタ分析Dehzad MJ, et al. Cytokine 2023PMID 36804260
- 3Curcuma longa Linn versus omeprazole in treatment of functional dyspepsia: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial臨床試験Yongwatana K, et al. J Gastroenterol Hepatol 2022PMID 34652861
- 4USDA FoodData Central食品成分データベース
- 5NIH Office of Dietary Supplements保健機関
- 6PubMed学術文献



