シナモンと血糖を扱う記事は多いのですが、より重要なのはどのシナモンかという話です。セイロンシナモン(真のシナモン) と カシアシナモン は別の木で、市販の粉末製品の大半は安価なカシアです。
違いは クマリン の量にあります。カシアにはセイロンの数十倍のクマリンが含まれ、クマリンは高用量で肝障害と関連します。欧州食品安全機関は1日許容摂取量を体重1kgあたり0.1mgと定めています。
主な効果
食後血糖の上がり方を穏やかにしうる
2型糖尿病を対象とした試験をまとめると空腹時血糖のわずかな低下が報告されていますが、結果は一致しておらずHbA1cには明確な変化がありませんでした。薬の代わりになる水準ではありません。
シンナムアルデヒドに抗菌・抗炎症作用
シナモン特有の香りをつくるシンナムアルデヒドは、試験管レベルで抗菌・抗真菌活性を示します。シナモンが長く保存料の役割を担ってきた背景でもあります。
砂糖なしで甘さの印象を与える
シナモン自体は甘くありませんが、甘さと結びついた香りを持つため、コーヒーやオートミールに加えると砂糖を減らしても満足感が保たれます。実用上はこれが最も役に立つ性質です。
抗酸化の指標が高い
ポリフェノール含有量は香辛料の中でも上位です。ただし実際の摂取量は1日1〜2gにすぎないため、抗酸化物質の総量に占める割合は大きくありません。
上手な食べ方
- セイロンを選びましょう。 表示に記載があり、セイロンのスティックは薄い層が何重にも巻かれています。カシアは厚く一重に巻かれます。
- 1日1〜2g で十分です。サプリメント水準の高用量は勧められません。
- コーヒー、オートミール、ヨーグルトにふりかける と、砂糖の使用量を減らすのに実際に役立ちます。
- 煮出すより最後に加えて。 香り成分が揮発します。
- シナモンロールのような製品は砂糖とバターが主成分であることを忘れないでください。
注意したいこと
- カシアシナモンのクマリン は高用量・長期摂取で肝障害と関連します。欧州食品安全機関の基準(体重1kgあたり0.1mg)では、体重60kgでカシア約2gが上限に相当します。
- 肝疾患がある方や肝毒性のある薬を服用中の方 はカシアを避け、セイロンを使ってください。
- 血糖の薬と併せて高用量をとる場合 は低血糖の可能性を考慮してください。
- 粉末のシナモンをそのまま吸い込む行為は気道を傷める危険があります。
- 妊娠中、料理に使う程度は問題ありませんが、治療目的の高用量は推奨されません。
栄養成分
粉末シナモン100gあたりのおおよその値です。実際の使用量は1日1〜2g(小さじ1/2ほど)です。
- エネルギー
- 247 kcal
- 炭水化物
- 80.6 g
- 食物繊維
- 53.1 g
- たんぱく質
- 4.0 g
- カルシウム
- 1,002 mg
- マンガン
- 17.5 mg
- 鉄
- 8.3 mg
主な栄養素
- シンナムアルデヒド
- 食物繊維
- マンガン
- カルシウム