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どんな食材か
にんじんはセリ科の二年草の根です。せりやパセリ、セロリと同じ科です。アフガニスタン一帯が原産で、もとは紫や黄色が一般的でしたが、今のオレンジ色は17世紀のオランダで定着したとされます。オレンジ色はベータカロテンという色素によるものです。生ではしゃきっとしており、加熱すると甘みがはっきり出ます。葉が付いたままだと根の水分を吸い取るので、取り除いて保存します。
学名 Daucus carota
生のにんじんをかじるのは気持ちよいのですが、栄養面では損です。生の状態での βカロテン 吸収率は3〜5%ほど。加熱して油と一緒にとると数倍になります。
βカロテンは体が必要な分だけビタミンAに変わります。動物性のビタミンAと違い、過剰による毒性の心配がほとんどありません。
主な効果
- 栄養データ
ビタミンAを安全に供給する
中くらいのにんじん1本で成人の1日必要量を超えます。ビタミンAは暗所での視覚、角膜の維持、粘膜のバリア、免疫細胞の働きに必要です。
- 栄養データ
目の表面と暗所視に関わる
「にんじんは目に良い」は誇張気味ですが、根拠がないわけではありません。ビタミンA欠乏は夜盲症と角膜障害の直接の原因で、欠乏が多い地域ではにんじんは実際の解決策です。
- 栄養データ
食物繊維が血糖と満腹感を整える
100gに2.8g。水溶性食物繊維のペクチンを含み、糖の吸収速度を抑え、大腸で有用菌のえさになります。
- 中程度の根拠
カロテノイドが酸化ストレスを下げる
βカロテンのほかαカロテンやルテインも含みます。人を対象とした試験18件を集めた分析では、カロテノイド複合体を8週間とると血液の抗酸化能の指標(FRAP・ORAC)が上がり、中性脂肪が下がりました。ただし 抗酸化酵素の値そのものは変わらず、これらの研究が見たのは血液指標であって病気の発生ではありません。[1]
上手な食べ方
- 加熱して油を足す。 蒸すか炒めてオリーブオイルをかけると、生の数倍の吸収率になります。
- 丸ごと加熱してから切る と水溶性の栄養素の損失が減ります。
- 皮は薄くこそげる程度に。 皮のすぐ下に栄養素が集まっています。
- キャロットラペのように生で食べるときも、油入りのドレッシング を使うと損失を抑えられます。
- ジュースにすると食物繊維がほとんど失われます。丸ごと食べるほうが有利です。
評価の読み方
効果ごとに、ヒトを対象とした研究がどこまで裏づけているかを4段階で示します。同じ食材でも項目によって評価は変わります。
- 栄養データ
- 食品成分表や保健機関の資料で確認できる事実です。臨床研究で検証する効能とは性格が異なります。
- 強い根拠
- 複数のランダム化比較試験やメタ分析で一貫して確認されています。
- 中程度の根拠
- ヒト研究はありますが、効果が小さいか結果が割れています。
- 初期の研究
- 細胞・動物研究、または小規模な予備研究の段階です。
- 確認されていない
- よく言われますが、ヒトを対象とした研究では確認されていません。
注意したいこと
- 毎日何本も長期間食べると、手のひらや足裏が黄色くなる カロテン血症 が起こることがあります。無害で、量を減らせば消えます。
- 喫煙者はβカロテンのサプリメントを避けてください。 高用量で肺がんリスクが上がった研究があります。食品としてのにんじんは該当しません。
- シラカバ花粉症があると生のにんじんで 口腔アレルギー症候群 が出ることがあります。加熱すればたいてい問題ありません。
- ジュースでは糖により血糖が速く上がることがあります。
この食材でつくる料理
出典
栄養の数値と健康に関する記述が依拠しているデータベースと保健機関です。



