切るか潰すまで、にんにくの中に アリシン は存在しません。細胞が壊れてアリインという成分とアリナーゼという酵素が出会って初めて生まれ、その反応には約10分かかります。
にんにくの健康効果を扱う研究の多くは、このアリシンとその分解物を対象にしています。つまり「どれだけ食べるか」と同じくらい「どう扱うか」が重要だということです。
主な効果
- 1
血圧を緩やかに下げる
高血圧のある人を対象としたランダム化試験をまとめると、にんにくの摂取で収縮期血圧が平均5〜8mmHg程度下がりました。血圧が正常な人ではほとんど変化がありません。薬の代わりにはなりませんが、食事管理の一要素としては意味のある数字です。
- 2
総コレステロールとLDLを少し下げる
8週間以上続けた研究では、総コレステロールとLDLがおおむね5〜10%程度下がる傾向が報告されています。中性脂肪とHDLには一貫した変化がありませんでした。
- 3
風邪をひく回数が減る可能性がある
12週間にんにくのサプリメントをとったグループで、風邪の発生件数がプラセボ群より少なかったという研究があります。ただし研究数が少なく、確定的とは言えません。
- 4
抗酸化・抗菌の働きがある
アリシンをはじめとする硫黄化合物は、試験管レベルではっきりした抗菌・抗真菌作用を示し、体内では抗酸化酵素の活性を高める方向に働きます。ただし「にんにくで感染症を治す」という話とはまったく別です。
上手な食べ方
- 刻んだら10分おいてから加熱を。 すぐ火にかけるとアリナーゼが壊れ、アリシンが生まれません。
- 1日に生なら1〜2片(約3〜6g)で十分です。加熱したものはもう少し多めでも構いません。
- 生がつらい場合は、血圧研究でよく使われる 黒にんにくや熟成にんにく抽出物 という選択肢もあります。
- 空腹時の生にんにくは胃粘膜を刺激しやすいので、食事と一緒にとってください。
- においが気になるなら、牛乳・りんご・緑茶・生パセリに実際の効果が測定されています。
注意したいこと
- 胃炎や逆流性食道炎 がある場合、生にんにくは症状を悪化させることがあります。
- ワルファリンなどの抗凝固薬 との併用で出血傾向が強まる可能性があります。高用量サプリは手術の7〜10日前に中止するのが一般的です。
- にんにくは 高FODMAP食品 のため、過敏性腸症候群があると腹部の張りやガスの原因になります。
- まれに接触皮膚炎やアレルギー反応が起こります。
栄養成分
可食部100gあたりのおおよその値です。
- エネルギー
- 149 kcal
- 炭水化物
- 33.1 g
- 食物繊維
- 2.1 g
- たんぱく質
- 6.4 g
- 脂質
- 0.5 g
- ビタミンC
- 31 mg
- ビタミンB6
- 1.24 mg
- マンガン
- 1.67 mg
- セレン
- 14 µg
主な栄養素
- アリシン
- ビタミンB6
- マンガン
- セレン
- ビタミンC